健康コラム

2019年03月20日

【健康コラム】花粉症のはなし(1)

スギ花粉について

 

ある最近の調査によるとスギ花粉症の有病率は全国で20%を超えると報告されています。少なくともスギ花粉症はアレルギー性鼻炎全体と共に増加していることは明白であり、注意が必要です。また近年では花粉症発症年齢の低下が叫ばれています。
スギ林の面積は全国の森林の18%、国土の12%を占めています。このためか花粉症の患者さんの約70%はスギ花粉が原因です。しかし花粉量には地域差があり、森林面積に対する比率では九州、東北、四国で高くなっています。北海道にはスギ花粉飛散は極めて少なく、沖縄にはスギが全く生息しません。原因となる花粉の種類は多く、日本ではこれまでに50種類以上の原因花粉が報告されています。

 

花粉症のメカニズム

 

花粉が鼻粘膜からはいると表面についた花粉は鼻の粘膜の上皮細胞にある線毛がベルトコンベアのように働く事により鼻の外に運び出されます。運び出されなかった花粉は鼻の粘膜に付着し、抗原成分を鼻粘膜にしみこませます。
鼻の粘膜の中にはアレルギーの細胞である肥満細胞があります。スギ花粉症患者さんの場合にはスギ花粉に対するIgE抗体が肥満細胞のまわりに結合し ています。このIgE抗体が溶けだしたスギ花粉の抗原成分を捕らえて結合して肥満細胞が活性化し、反応を生じます。その結果、放出されたヒスタミンが鼻粘膜表面の神経を刺激し、くしゃみを起こし反射的に鼻汁の分泌を生じさ せます。またヒスタミンは血管を刺激して鼻づまりの症状を引き起こします。

 

花粉症のセルフケア

 

ご自分でできるセルフケアとしては外出時にマスク、めがねをして、原因の花粉を少しでも体の中に入れないようにする努力が必要です。花粉症用のマスクでは花粉が約1/6、花粉症用のめがねでは1/4程度に減少することが分かっています。
花粉情報に注意し、花粉飛散が多いときには無駄な外出は避けるようにしてください。 家にいる場合でも、花粉飛散の多いときには窓の開け閉めに注意をしましょう。
外出する場合にはけばけばした花粉のつきやすいコートを着ることは避けましょう。 外出から帰ったらすぐに顔を洗い、うがいをすることをお勧めします。

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