第330回サンデーセミナー(2017年1月)

薬のプロフェッショナルとして在宅医療に関わることは、薬剤師の常識になってきました。地域医療環境の充実により、回復期や慢性期、ターミナル期をご自宅で過ごす患者様が増えています。
一方で、老人福祉施設の調剤配薬・管理が主で、一般住宅の在宅療養患者さんへの支援は未経験、という薬剤師もまだ多いのが現状。第330回サンデーセミナーは在宅対応力強化講座!
訪問診療を専門に取組まれているルスコクリニックから、循環器専門医でもある高井秀明先生のご登壇です。

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「在宅医療の現場より~多職種連携と在宅医との関わり方~」と題し、在宅現場で遭遇しやすい問題点・疾病や、薬剤師に期待することについて、医師の視点から様々な話題をいただきました。
ホットな薬剤情報提供、副作用バリア、調剤方法の工夫、ポリファーマシーへの対応、アドヒアランス維持を重視した本人と家族への管理指導、副作用の早期発見と対応…等々。在宅医療の現場で、医師が薬剤師に期待している役割は想像以上でした。
在宅では毎日の食事、住環境は適切かなど『患者さんの生活』を第一に考えること、
患者さんが密度の高い人生をどうやって生きていくかどう向き合っていくかを考えながら多職種で連携して支援すること、
患者さんの症状を軽減し苦しみを癒し、不安を共有し和らげる『ともに生きる医療』の実践について、高井先生は力強く伝えてくださいました。

 また、このセミナーには、アミューズ富永の訪問看護師も参加しており、在宅患者を支援する医療専門職として意見交換し、体験を共有することができました。

<受講者の声>
多職種連携の重要性がよくわかった。チームでいかに情報を素早く共有できるかが肝なので、カンファレンス時の顔合わせも大事。日頃からチームで情報共有する習慣をもっておきたい。

現場では必ず患者さんの手を握って、脱水やフレイルの状態を把握すること、剤形・製剤の特徴を理解し、よりアドヒアランスを高めるための提案をするなど、具体的に何をすべきかというイメージが出来ました。今後の自分の指標の一つとなります。

在宅医や看護師、ケアマネなどと積極的に関わりをもって、患者にあった調剤情報の工夫や副作用の早期発見など、専門職として意識高く取り組んでいきたい

不眠がうつ状態や認知症の原因となること、在宅現場における昼夜逆転の問題や神経障害性疼痛に伴う不眠など、様々な要因で不眠は生じていることなど、睡眠についての重要性を再確認できた。

不眠に用いるBDZ系薬が脱水の原因になったり、夜間尿の回避のために利尿剤のコンプライアンスが低下したりと、薬剤師としてもしかり状態を把握すべきと感じた。

脱水などのバイタルサインのみかた、患者の状態を知るポイントを知ることができた。高齢患者さんに対応するときには、脱水、フレイルの視点も忘れず様子を確認したい。

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