第385回サンデーセミナー(2021年8月)【オンライン】地域連携「岡山赤十字病院」シリーズ③(精神科領域)

第385回 サンデーセミナー

【日時】 2021年 8月22(日) 9:50~12:30

【会場】 zoom会議室

     セントラルフォレスト(岡山市北区本町6-30第一セントラルビル2号館8階)より中継
【講義プログラム】
 ■『当科で行っている診断と治療 ~様々な事例を通して~』
  中島 誠 先生
  (岡山赤十字病院 精神科部長、岡山市認知症疾患医療センター センター長)

 ■『インスリン治療の医療費を考える~バイオシミラーという選択』
  杉本 武史 氏
  (サノフィ株式会社)

【研修認定単位】 1.5単位

 

厚生労働省によれば「精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、近年大幅に増加(厚生省HPより)」しています。早期に適切に対応することが、重篤化や症状の進行を抑えることに繋がります。
「こころの病」に薬局薬剤師はどのように関わっていけばよいのか、岡山赤十字病院(精神神経科)の中島先生にご登壇いただきました。
岡山赤十字病院で行っている診断と薬物治療の選択、中島先生の知見・経験を背景とした精神科領域の薬の使い方を、せん妄、統合失調症、うつ、双極性障害、認知症、パーキンソン氏病などの症状ごとに詳しくご説明いただき、薬物治療の注意点やトピックスなどを解説してくださいました。

 

 

 

 

【受講者のこえ】

 独居高齢者の被害妄想は意外に多く、薬の効果が得られにくい。地域でのコミュニケーションが大事となる。パーキンソン・痛み・鬱はプラセボでも効果が出る場合が多く、薬局での話を聞いてもらうだけでも改善するケースがある。中島先生のお話は、実際の症例を示して下さって分かりやすかったです。投薬時の言葉にも気をつけてスキルアップを目指したいと思います。

 

■ 中島先生の講義を聞いて、うつ病の初期症状が見られる方が心理士さんと話してスッキリして帰られる方がいると聞いて、他の疾患で来局される方も話を聞いて心が落ち着かれる方がいるのなら患者さんの不安や心配なお気持ちに傾聴していきたいと思った。


■ 実際の症例を通してどのように診断・治療を行っているのか講演いただいたので、とてもわかりやすく聴くことが出来ました。さらに系統的にお話しいただいたので頭の中で整理できたと思います。今回の内容のような背景が診察の際に行われていると類推しながら患者さんに接していきたいです。

 

■ 精神科疾患の薬は改めて奥深いと感じた。少量から始める適応外処方など、処方医の処方意図を知ることができ、とても勉強になった。新薬も次々出ているので分類して整理しなおそうと思った。精神疾患に対する接し方・話し方等も改めて注意が必要だと感じた。

 

■ 精神科医師の病気と薬に対する考え方の一端を知ることができた。古い薬でも効き方や使い方を工夫しながら使っており、現場の対応力はすごいなと感じました。疑義照会についてもこのことを考慮して行う必要があると思います。

 

■ 心療内科からの抗うつ剤・BZ・睡眠薬・抗不安薬の処方も多いので、プラセボ効果も踏まえて、患者さんに注意深く対応したい。病院精神科の日常診療における薬物治療について丁寧にご講演いただき、よく理解することが出来ました。

 

■ パーキンソン病、痛み、うつ病では薬の効果だけではなくプラセボでも効果が大きいことを知りました。投薬時の私たちの声掛けや発言によって患者さんに与える影響もあるため、改めて慎重に発言を考えなければいけないと思いました。様々な症例をあげて講義いただいたので、先生たちがどういう理由で使い分けや切り替えを行っているのかがよくわかりました。

 

■ 精神神経科の治療では様々な薬の選択があり、長期に及ぶことがわかりました。話を聞くだけでも楽になる事例もあることを知り、薬局での服薬指導も何かの助けとなればと思います。様々な症例にふれ、言葉遣い等の知識を深めていきたいです。

 

■ 妄想は孤独な人に多い、せん妄で大声で叫ぶのを止めると喀痰から誤嚥性肺炎につながることがる、プラセボでも効果がある代表疾患として、パーキンソン病・痛み・うつ病がある、など。精神科領域には苦手意識があるが、プラセボ効果で話を聞くだけでも楽になる場合があると知り、今まではあまり話さない方が良いのかなと思っていたので、投薬するときの意識が変わりました。

 

■ 精神疾患の薬剤について、適応外使用も含めた講義で、処方監査の際に今日の知識を活かしたい。症状により薬剤が使い分けられているので、それに合わせた指導をしたい。

 

■ たくさんの症例を紹介してくださり、とても分かりやすかったです。普段から取り扱っている薬も講義の中で沢山出てきたので、薬剤についても症状についてももっと深く知識を持たなくてはいけないと感じました。精神科受診の方の投薬は特に言葉に気をつけて行います。また薬の副作用・症状の悪化・併用薬との相互作用等に気をつけます。

 

■ 中島先生が現在行っておられる診断・治療についてだけでなく、過去にはどのような治療が行われていたか、そこから何が変わってきたかなどもお話しいただいたのでとても興味深かった。

 

■ 薬を使えば主な症状を抑えることができるかもしれないが求めていない作用が出てしまうことがある。患者さんの話を傾聴し薬の選択が間違っていないのかをいろんな薬と考慮し考えていく必要があると思った。薬の作用機序などの薬理的な視点ではよく見てきたが、特徴についてたくさん触れていた内容だったのでとても勉強になった。

 

■ 専門的な言葉が多く、自分の知識不足を感じて終わってからも調べることが多かった。難しい内容を分かりやすく説明していただきありがとうございました。

 

■ 難しい精神科領域の処方意図が聞けてためになりました。患者さん本人には聞きにくい部分もあるのでとても参考になりました。

 

 

 

中島先生のご講演に続き、サノフィ株式会社の杉本武史氏からは、インスリン治療と医療費、インスリンの歴史とバイオシミラー(バイオ後発品)についてご講義いただきました。

 

 

【受講者のこえ】

 長期で薬とつき合っていく必要がある糖尿病患者様の治療費は非常に高額になる。医療費が高く困っている患者さんにバイオシミラーという選択肢があることを伝えていきたいと思う。今の供給不足問題のようにならないという言葉を聞いて、安心して勧められます。少しでも患者様の負担が軽減ができれば、と思います。

 

 バイオシミラーはあまり聞き慣れた言葉ではなかったので勉強になりました。バイオシミラー使用意向に影響を与える要素として、薬剤師は医師に続き2番目であると聞き、影響力があることを実感しました。薬剤師として患者さんにバイオシミラーという選択肢を必要なときに提示し、医療費の削減に取り組めたらと思います。

 

 患者アンケートではバイオシミラーについて40%弱の方が「わからない」と答えていることから、現状で正直「影が薄い」印象があった。時点では扱う機会が少ないが、必要なときに最新情報を調べたい。バイオシミラーとGEの違いを再確認することができた。

 

 インスリンが発売されて100年。インスリンの発見からバイオシミラー製剤まで分かりやすく紹介いただき再認識できた。バイオシミラーを含めた後発品の品質・有効性・安全性について今後の服薬指導に活用したい。

 

 インスリンのデバイス、使用方法、インスリンの手技の注意点など、動画もみせてもらってよくわかった。指導時に生かしていきたい

 

 バイオシミラーの認知度を上げ使用を促進するには、私たち薬剤師が患者・家族への情報提供をきちんと行うことがとても重要だと感じた。

 

 糖尿病について医療費という側面から考える機会はあまりなかったので参考になりました。

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