第336回サンデーセミナー(2017年7月)視覚障害者の移動支援を学ぶ

第336回 サンデーセミナー
【日時】 2017年7月23日(日)10:00~14:45
【会場】 就実大学 S館 S512講義室
【講義プログラム】
 ■『視覚に障害がある方の見え方とガイドヘルプ方法』
  ガイドヘルパー 山口由希子 先生(やまぐち眼科 / 岡山県同行援護従業者協会会長)
 ■『ホルモン製剤の新たな投与法の幕開け~関連疾患情報と「連続投与」の有用性~』バイエル薬品株式会社
 ■『脱水症と経口補水療法~OS-1』株式会社大塚製薬工場
【研修認定単位】 2.0単位
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買い物や冠婚葬祭、余暇活動など、1人での外出が困難な方が安全に出かけられるよう、外出介助して自立支援を行うガイドヘルパー。障碍のある方の社会参加を手助けするお仕事です。7月のサンゼミでは、視覚障がい者ガイドヘルパーでもあるやまぐち眼科の山口由希子先生を講師にお迎えして、その意義と方法を教えていただきました。
まずは視覚障碍の原因となる主な目の病気の解説から。視覚障碍の原因には、緑内障、加齢黄斑変性症、白内障、網膜色素変性症、糖尿病網膜症など様々な疾患があり、ひとくちに視覚障碍と言っても、それぞれ見え方は人によって違うこと、全盲は1~2割で多くの視覚障碍者は弱視(ロービジョン)であることを教えていただきました。見え方を理解して状況に応じたサポートをすることが大切なのですね。
投薬においても視覚障碍の方へは触覚で分かるような方法をとることが大切。処方薬が複数種類ある場合は一包化し、朝夕の区別は薬袋の大きさを変えたりテープで印を付けるなどの工夫をすること、色のコントラスを付けて弱視でも分かるようにするなど、誤薬を防ぐための支援の例を具体的に示してくださいました。
そしていよいよ体験タイム。特殊眼鏡やアイマスクを使用して視覚障碍それぞれの見え方を体験した後、誘導方法をロールプレイングで学びました。半歩前に立ち、肘の受けを軽く握ってもらう。曲がるときは直角に、モノの説明をするときは時計の文字盤を例にする等々。実際にガイドヘルプを体験し、サポートする側の理解、声掛けと相手の動きをしっかり見たコミュニケーションがとても重要であることがわかりました。

サンゼミ336-3

サンゼミ336-2

また今回の講座では、視覚障碍があるAさんからもお話を伺うことができました。視覚障碍者が受け得る誤解と尊厳を守る接遇、サポートする健常者側の気持ちを相手に素直に投げかけることの必要性を強調され、山口先生が何度も言われた「ガイドヘルプは介護とは違う」という意味もよく理解できました。

山口先生ありがとうございました!

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 受講薬剤師の感想より
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ロープレで不自由さを体感できた。しっかり声を掛けてもらうことで安心できましたが、様々な音や声がする中なので、大きめの声で声掛けすることの大切さがわかった
人それぞれ求めることは違うのでマニュアル等で対応するのではなく、臨機応変な対応が必要
薬局には視覚障害の方、フレイルの方、熱中症一歩手前の方も来られます。どんな方が来られても最良の対応ができるようしたいです。
今回のような体験型の講演はとても身になります
眼科の門前なので視覚に難のある方からの要望に個々で応えるようにしていますが、もっと対応できることがあるかもしれない、ととても勉強になりました
今まで店舗に視覚障害の方が来られたことはまだ無かったが、今回色々体験させてもらったので、もし今後来られたときにはお声がけした上で適切な誘導をしていきたいと思います。また町で白杖を持っている人がいて困っていたら「何かお手伝いしましょうか?」の一言がかけられるようにしたいと思います
アイマスクをしての歩行経験はとても勉強になりました。視覚障碍者とヘルプの方の生の声と説明が聞けて参考になりました
実際にアイマスクを使って行動をしてみると、自分が今どういう所にいるのかがまったくわからない状態でした、全盲の方の感じる不自由さや恐怖を体験できた。しかし視覚障碍者は要介護者とは違って身体は健常人と同じなので、少しのサポートをするように心がけたい
視覚障害の方の見え方の体験は良い経験になった。みえないということがどれだけ大変かということがわかったが、視覚障害の方は思った以上に出来ることが多く、講師の先生が何度も言われていた「介護とは違う」という意味も理解できた
視覚障碍者の見え方を実体験したことで、いつも接していた視覚障害をもつ患者さんがどのような感覚だったのか、どう接するべきだったのか、一部分でも分かった。
実際に視覚障碍者の方のお話しをきき、質問させていただく機会があったので、何を思い、何を考えてどのように動いているのか、とても具体的なイメージを持つことができた。
視力障碍のある患者さんが来局されたときには積極的に声をかけてガイドヘルプを申し出たい
視覚障碍者に実際に来ていただき生の声を聴けたことは非常に有意義であった
窓口に視覚障害の方が来られるケースには今回勉強した内容を即実践しコミュニケーションをとりスムーズにお互い気持ちよく処理できるようガンバリマス
アイマスクをすると一人では方向感覚を失い歩くこともままならないが、上手にガイドヘルプしてもらうと安心して歩けることが分かった。実際ガイドヘルプを体験して、健康な人のサポートがいかに必要か、また適切なサポートでなければ意味がないことを体感しました。
視覚障害と一口に言っても見え方はさまざまであり、健常人が感じるほどの不便を感じていない対応できるというのが驚きでしたが、その慣れからか介護ではなく介助をできるようにというのが新鮮でした。その方の尊厳を守る接遇というのは誰に対しても共通だと思いました
今までは手助けの知識もなく、また断られる怖さで話しかけることができなかったが、基本的な手伝い方を教えていただき、断られることももちろんあり、介護ではなく手伝いであると聞き、積極的に話しかけていきたいと思った。

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