第374回サンデーセミナー(2020年9月)【オンライン】実践!かかりつけ薬剤師~栄養指導

第374回 サンデーセミナー

【日時】 2020年9月27(日) 9:50~12:30
【会場】 zoom会議室

    SWITCH WORKS(岡山市北区本町6-30第一セントラルビル2号館7階)
【講義プログラム】
 ■『管理栄養士から見たエピソードで語る薬と食物の関係』
  市川 和子  先生
  (川崎医療福祉大学医療技術学部 臨床栄養学科特任准教授)

 ■『心不全の最新の話題』
  大谷 美佐子 氏
  (大塚製薬株式会社)

【研修認定単位】 1.5単位

 

薬局薬剤師は薬の専門家としてだけでなく、地域住民の健康サポーターとして幅広い役割を期待されています。栄養・食事の分野は、薬剤師がより踏み込んだ介入をすることによって、医薬品との相互作用、疾患の予防・重症化防止、健康食品の適切な販売など、さまざまな面で薬剤師の視点を活かすことができます。
第374回サンデーセミナー(サンゼミオンライン)では、長年臨床の場で患者さんの栄養サポートをしてこられた、川崎医療福祉大学の市川和子先生にご講義いただきました。

 

 

 

 

【受講者のこえ】

 ものすごく楽しい講義だったので時間があっという間に過ぎました。〇×クイズも面白くて良かったです。

 日常業務に直結した内容でとても入ってきやすい内容だった。薬を説明しお渡ししたらそれで終わりではなく、きちんとモニタリングしていくことが重要であることを改めて気づかされる内容の講義でした。

 後期高齢者がこれから増えてくる中でポリファーマシーと食楽支援は最優先の課題です。老人クラブ等でサルコペニア、フレイルなどのテーマでお話をさせていただく機会も増えてきています。また食生活の怪しい来局患者さん、在宅患者さんも増えてきています。患者さんの日常生活にも関心を持って多職種連携をしながら生活全般のことも意識しながら服薬指導していきたいと思います。

 薬と食品の関係や食品中のカリウムやリン・ナトリウムの含有量を少しでも習得することで、投薬の時の体重の増減・食事の内容・定期的な血液検査の結果についてしっかり声掛けをしたい。それによりサルコペニアの早期発見や減塩の工夫、市販の健康食品・コンビニコーヒーのおすすめなど実生活に役に立つ患者サービスにつなげたいと思います。

 病態に合わせて治療のことや食事のことなど、患者さんを総合的に見て指導を行うようにしていきたい。減塩食品も実際はNaのかわりにKが入っているなど、よく注意していくことが必要だと感じた。また検査値だけでなくADLなど患者さんの状態を見る方法なども日常業務に生かせると感じた。

 SGLT2阻害薬は体重が減少する副作用がある事は知っていましたが、体脂肪は増えて筋肉量が減っている場合があり、それがサルコペニアに繋がってしまうことがあると知り、高齢の方にSGLT2阻害が出ている場合はしっかりとヒアリングを行って行きたいと思います。

 調理のしかたでカリウムの減少率が変わってくる等とても為になりました。ペットボトルのお茶に含まれているKの量、ビールに含まれているPの量など、身近なもので数値を示していただき、とても楽しくわかりやすい講義でした。

 臨床管理栄養士として働いていた方の話を聞き、個々の病態の食事の専門性はもちろん、個々の患者と向き合い真摯に対応されている話を聞くことはできて、自分ももっと頑張らないといけないと思いました。

 栄養管理における実際の臨床現場での多数のエピソードを紹介していただき、栄養管理指導の重要性を再認識しました。オンラインセミナーなので無理ですが、栄養士さんは工夫を凝らした食事を試食してみたかったです。

 薬をきちんと服用してもらうことが第一ですが、出来ていなければ出来るような工夫を考えてアドバイスする、生活習慣病の場合には服薬だけでなく食事や運動も見直す必要があり、それぞれ患者様の生活や性格を考えて提案できればと思います。

 栄養面(K値やZn、塩分など)について患者さんから質問されることがあるので、今回の内容はとても興味深かったです。服薬指導にすぐに生かせるものがたくさんあり、とてもためになりました。

 患者の治療やその予後において栄養管理の重要さを強く感じました。臨床現場での症例や栄養剤の製品説明が多く理解が深まりました。患者の治療やQOLに利用管理が非常に重要であると常に認識し、個々の患者に応じた日常生活での栄養管理指導を試みたい。

 いろいろと含有量を調べた表が入っていたので患者さんサイドに立って細かい話の時に役立ちそうです。K出る方よくいるので「かわりにバナナ」は使えるかも・・・と思いました。「リン吸着ふりかけ」もスゴイ!
学生時代に病院の給食場で調理補助のアルバイトをしていました。学生が扱うのはせいぜい並食、きざみ食、整形などで手の不自由な人用のひと口サイズ食とかですが、配膳時に「カリウム禁」などのひょうじがよくあって気になっていましたが、「こういうことか」と腑に落ちました。

 栄養士の方は薬剤師と患者さんを見る視点が少し違っていてとても面白かったです。無菌食や無味食というものがある事を知らなかったし、イトリコナゾールシロップのゼリー化やリン吸着ふりかけなど勉強になりました。

 市川先生はご自身で疑問に思われたことを調査研究され、日々の患者様へもフィードバックされておりすごいなと思いました。お話も聞きやすく参考になりました。

 カリウムやVKについて食事内容の相談をうけることがあるが、食材に関する話しかできていなかったので、今後は調理方法についても今回学んだ内容を生かしていきたい。
来局時の患者の様子や話し方などの変化に気づけるよう注意深く観察したい。管理栄養士さんのお話は投薬時だけなく自身の生活にも生かせる知識のため、大変勉強になりました。

 経験に基づく薬と栄養に関わる話は大変勉強になった。中でもクレメジン細粒の服用時に食事を気にするあまりコンプライアンスの低下を招くことは薬局の現場でも十分起こる事なので服薬指導に追加して患者様に注意をしていけたらと思う。

 薬のことだけでなくいろんな職種の方からお話を聞くのが大切だと改めて思いました。また一つ新しい視点が増やせたように思います。ありがとうございました。

 

 

 


 

 <市川 和子先生>

長年、川崎医科大学附属病院にて栄養部長として、腎臓疾患の方や透析患者さんを中心に栄養指導を実施。チーム医療の一員という視点から、栄養面から患者さんをサポートされてきた。現在は大学における講義、全国の学会での講演など精力的に活躍。臨床透析や栄養ケアに関する著書も多数。

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