第375回 サンデーセミナー
【日時】 2020年10月18(日) 9:50~13:00
【会場】 zoom会議室
セントラルフォレスト(岡山市北区本町6-30第一セントラルビル2号館8階)より中継
【講義プログラム】
■『アトピー性皮膚炎 ~バリア機能異常と現在の治療~』
白藤 宣紀 先生
(岡山ろうさい病院・皮膚科部長)
■『保険薬局薬剤師と共に行う地域活動』
高栁 和伸 先生
(倉敷中央病院 薬剤部 薬剤本部長)
【研修認定単位】 2単位
第375回のサンゼミは、薬剤師認定制度認証機構(CPC)G03『一般社団法人 薬剤師あゆみの会』の認定薬剤師指定研修となりました。
まずは、岡山ろうさい病院の皮膚科部長である白藤宣紀先生のご講演です。
バリア機能異常を背景に様々な要因が関与するアトピー性皮膚炎の原因や、その症例、最新の治療についてお話しいただきました。実際の症例や薬の効果の実例もわかりやす視覚資料で数多くお示しいくださいました。
労災病院前店を中心に富永薬局でも処方せんを受け付けることが多い「岡山ろうさい病院」。最新の治療情報を教わり、処方方針を共有させていただくことで、すぐに実戦に役立てられる講義でした。
【受講者のこえ】
■ アトピー性皮膚炎においては保湿剤を使用してバリア機能を高めることによって発症を抑えられると知り、しっかりとした保湿を指導してきたいと思います。入用後10分までに使用することが大事だとわかり、なるべく早く使用することをお伝えしたいと思います。
■ 実際に(自分がいる)労災病院前店に来られている患者さんの症例を見ることができ、先生の治療の考え方などが分かってすごく勉強になりました。
■ アレルギーくらいの知識しかなかったので、アトピー性皮膚炎の治療の難しさがよくわかった。塗り薬を渡すときには具体的にどこにどのくらい塗るかしっかり説明しようと思います。
■ 皮膚のバリア機能異常の要因を説明して頂き、更に実際の治療と症例について説明して頂き、理解が深まったと思います。特にアトピー性皮膚炎の患者さんに服薬指導する際に今回の講演の内容をしっかりと念頭に置いて行っていこうと思います。
■ フィラグリンの発見と作用について知ることができた。講演の中で「高齢者にとって塗り薬は薬ではない」と考える人もいるとの指摘は、整形門前に勤務する自分も気に留めておくことが必要だと思いました。
■ 新患や久々に薬局来る人から併用薬を聞き取るとき、見事に外用薬はスルーされる…というのは私も実感しているので、あえて細かく質問するようにしています。新薬の作用点とか使用感が聞けて良かったです。なつかしいCMソングと液クロの替え歌に笑わせていただきました。
調剤薬局の窓口対応だと皮膚科の分野はわかりづらく、併用が他にあるとつい内服の方に目が行きがちで、実例やいろいろ服薬指導に役立ちそうなお話が聞けて良かったです。
■ 病院薬剤師の色々な体験談を拝聴することができ勉強になりました。今回学んだことをベースにアトピー性皮膚炎患者に対してドクターの治療方針を的確に推測し各治療薬の意味を十分に理解した上で個々の患者の状況を判断して服薬指導が行えるよう努力したい。
■ アトピー性皮膚炎というメジャーな病態について最新の治療方針や治療経過について学ぶことができたので良かった。
■ 受診の主訴ではないが話を聞いていてアトピーがあると言われたり、外見からアトピー性皮膚炎だろうと思われる患者さんが来られた場合に、適切な治療をきちんと受ければかなり改善するという認識をもってアドバイスできます。
■ アトピー性皮膚炎において、皮膚炎を軽快することでバリア機能が改善され、結果、皮膚炎の抑制につながるという良い循環で治療を進めることが重要だとよくわかりました。
続いて、倉敷中央病院で薬剤本部長を務められている高栁和伸先生が、保険薬局薬剤師は地域の患者さんのために何ができるのかをご講演くださいました。病院薬剤師としてのご経験から失敗談も含めて、連携医療の大切さを教えていただきました。
【受講者のこえ】
■ 薬薬連携、多職種連携を行うことによって地域の保険薬剤師としての役割を果たすべきだと思いました。服薬情報提供書や投薬時の聞き取りを上手く使っていきたいと思いました。
■ 高柳先生の貴重な話を聞けて面白かったです。目の前の調剤業務だけで満足しないで、外に目を向けて仕事をしようと思いました。
■ VBPを実現するためには異なる価値に向き合いお互いを尊重しながら助け合う場を提供していく必要がある事を講演の事例から感じました。日々の自己研鑽を行っていくのはもちろんだが、更に他職種と連携できる場に積極的に参加していき、違った価値観・視点と向き合っていくことから始めていきたいと思います。
■ 高柳先生のお話を聞いて今後薬剤師として地域活動をしていく上で色々な場に出て行き患者のニーズ(薬剤師に求めていること)を探る必要性を感じました。
■ 日本の医療は外国と比べて外国と比べて進んでいる部分も多いと(特に発展途上国と比べると)思っていましたが、ACDの導入など大きく差がある事を知り驚きました。
■ 保険薬剤師として地域活動でどのように職能を発揮していくべきか改めて考えさせられました。
■ 薬を調剤して終わりではなく、薬の管理や適切に使用できているかどうか、患者さんのその後のケアを積極的に行えればいいなと思います。
■ 薬剤師が「患者の状態を把握する」ことが重要であることを再認識できた。
■ 医療とは患者さん一人ひとりの異なる価値に向き合い、その患者さんに関わる全ての人たちと協力して進めていかなければならない、勉強になりました。