第384回サンデーセミナー(2021年7月)【オンライン】皮膚科領域を究める夏

第3844回 サンデーセミナー

【日時】 2021年 7月11(日) 9:50~12:30
【会場】 zoom会議室

     セントラルフォレスト(岡山市北区本町6-30第一セントラルビル2号館8階)より中継
【講義プログラム】
 ■『外用療法のいろはにほへと』
  山口 麻里 先生
  (岡山赤十字病院 皮膚科医長)

 ■『皮膚をケアする医療者のための基礎から学ぶ外用療法』
  成岡 健太郎 氏
  (鳥居薬品株式会社)

【研修認定単位】 1.5単位

 

夏は皮膚トラブルに悩む患者さんが増える季節。直接死亡に繋がることは少ないものの、皮膚疾患は患者さんのQOLには大きな影響を与えます。
その治療や症状のコントロールに重要なのは、適切な薬物治療と生活指導ですが、かゆみや赤みが引いたから…等と、治療を中断してしまう患者さんも少なくありません。治療を支えるためには病態の理解と適切な服薬指導が必須!まさに薬剤師が職能を存分に発揮できるところですね。

 

 

 

 

オリンピック開幕直前!梅雨明けのサンゼミでは、皮膚疾患と外用療法の基本から、ステロイド外用剤のランク・適応・副作用・使用方法、混合調剤のポイントなど、岡山赤十字病院の皮膚科医長である山口麻里先生から、幅広く丁寧にご講演いただきました。特に皮膚疾患の患者さんの課題であるアドヒアランスの低さを改善するための指導の工夫(用法理解・患者のモチベーション向上と納得のための方法)は、治療のパートナーとして薬剤師が果たせる役割を再認識させていただくことができました

 

 

【受講者のこえ】

 わかりやすく、日常業務に直結するお話だったのでとても参考になりました。軟膏の混合は基剤による適不適、分離や細菌感染のリスク等も考えて、混合処方では今回学んだことを生かして処方監査をしたい。

 ステロイド薬に対して不信感を抱いている患者さんがおられたら、適切に説明してコンプライアンスを上げていきたいと思った。

 塗り薬をただ何となく塗ればよいと思っている患者さんは多いので、特に症状が落ち着かない患者さんの指導方法を見直したいと思います。

 とても分かりやすく服薬指導に役立つ内容の講演だった。内科でも長期的にステロイドが使用され改善されないケースや、顔に手足用の擦ろトングクラスのものを塗布されている場合がある。適切な使用法・使用量を再確認でき、改善しない場合は積極的に皮膚科受診を進めていこうと思った。

 外用剤の混合はワセリンで薄める処方をよく見かける。具体的なデータを用いて効果・副作用を確認できたのはありがたかった。

 文献やガイドラインに基づく外用療法のことはもちろんだが、山口先生が実際に日々の診療の中で得られた体験や印象、山口先生ご自身の見解をいろいろと聞かせてくださったことが大変参考になった。特に外用剤の混合に関する山口先生のご意見を聞くことができたが良かったと思う。

 実際の臨床経験の中でのことでとても参考になった。思っている以上に患者様が塗り薬を使っていないこともわかり、服薬指導の中で「薬を使ってもらえる」説明をしないといけないと強く感じた。

 塗り方を示し患者様とともに納得のいく形で治療を続けていく方向性を示していきます。実際の診療の中でのトピックスを知ることができて有意義でした。

 Dr.の治療方針や、実際に気をつけていることを教えて頂くことで、薬剤師がサポートすべきとこが明確になるため患者さんへの指導がしやすくなります。

 皮膚疾患は薬物治療の効果がすぐに出ないものも多い。患者さんが自己判断で薬を止めてしまわないような指導が必要。副作用を画像を用いて説明してくださったり、各種データを示しての比較がとても分かりやすく勉強になりました。主成物の飽和度については全く知らなかったのでとても勉強になりました。

 ステロイドの副作用について誤った考え方への正しい説明法、混合について基剤の違いやpH低下などによる効果減弱・増強における注意点についてなど、皮膚科の門前薬局なので今回の公演はとても分かりやすく、たいへんためになる内容でした。今後の職務に生かしていきたい。

 ステロイド外用剤は様々な症状に用いられているが、よく効くからといって強いものばかり使用していると副作用が問題となってきます。患者様ごと、または同じ患者様でも症状ごとに適切なアドバイスができるとより良い効果につながると思いました。保湿剤を上手に併用することにより効果が高まることも伝えていけたらと思います。外用薬は内服と違って虫刺され等患者様自身の判断で使用されているなと感じることが多いので、適切な使用法を一緒に確認していけたらよいなと思いました。

 患者さんが適切な量を塗っているかを残薬を聞いて確認すること、塗る大変さをわかってあげることも大切だと思った。

 皮膚科領域の治療、特に外用療法ではアドヒアランスが下がりやすく、自己申告と実際の使用率に開きがある場合が多い。アドヒアランスを上げるために正しい塗り方や量の指導、患者さんの不安や疑問を今回の内容をもとに取り除いていければと思います。皮膚科領域の治療について基本的な内容を再確認でき、さらに新しい知識も得ることができて良かったです。

 

 

山口先生のご講演に続き、鳥居薬品株式会社の成岡健太郎氏からは、皮膚の構造、保湿剤の塗布、塗り薬のコンプライアンスの上げ方、アトピー性皮膚炎の薬物療法、プロアクティブ療法など、皮膚疾患の外用療法について体系的にご講義いただきました。

 

 

【受講者のこえ】

 私自身が保湿クリームを塗るのでさえ面倒に思ってしまう。1日に17回も塗らなければならない患者さんの大変さは容易に想像がつく。まだ投薬で塗り薬コンプ不良な患者さんに会っていないが、そのような相談を受けた際には、メリットや理由を説明し、生活リズムの提案をしていきたいと思った。

 外用剤の塗布方法を指導する際には「皮膚のラインに沿って、溝方向になじませる」「擦りこまず皮膚に乗せるように優しく塗る」「軟膏はティッシュペーパーが張り付く程度に」などわかりやすい表現を用いてポイントを患者さんに伝えたい。

 プロアクティブ療法について知らなかったので内容等知れて良かった。アトピー性皮膚炎に対してさまざまな治療のアプローチ方法があることがわかった。

 医師の適切な指示通りに薬を使ってもらい、いかにして自己判断で治療が完了しないケースを放っておかないかが大切であると感じた。患者様に納得して頂けるような説明の助けに薬剤師が少しでも役立つことができたらと思った。

 薬物の適正量、プロアクティブ療法のデビデンスが参考になりました。

 保湿剤の塗布は1日2回の方が1回に比べて2.5~4倍に効果が上がることを知りました。日々の投薬で扱うことが多いので、1日2回は大変だが効果が上がることをしっかり伝えていきたいと思いました。

第384回サンデーセミナー(2021年7月)【オンライン】皮膚科領域を究める夏メニュー