2021年08月27日
毎年9月1日から30日までの1か月間は「健康増進普及月間」。
がん・心臓病・脳卒中・糖尿病などの生活習慣病の発症や進行を防ぐためには、生活習慣の改善、とりわけ食生活の改善が重要です。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大で私たちの食生活は大きく変わりました。新しい生活様式により家で食事をする機会が増えた今こそ、「食事をおいしく、バランスよく」に努めましょう。
低栄養にご注意を
令和元年国民健康・栄養調査によると、65歳以上では2割弱の方に低栄養傾向がみられ、目標とするBMIの範囲内にある高齢者の割合は、5割を割っているそうです。
また、65歳以上の高齢者でフレイルがある場合、フレイルがない高齢者と比べて、肺炎に1.9倍かかりやすく、肺炎の重症化(入院措置になりやすい)のリスクも1.8倍に上昇することを、新潟大学の研究グループが明らかにしています。
低栄養予防や栄養状態の改善に向けては、主食・主菜・副菜を上手に組み合わせながら、多様な食品を摂取していくことが重要です。
『おうちご飯にバランスプラス』
主食・主菜・副菜は、健康な食事の第一歩。からだに必要な栄養素をとる秘訣は、主食・主菜・副菜の3つを組み合わせて食べることです。
例えば、具だくさんのお味噌汁やおかずを多めに作って、1品足りない時にプラスしたり、 お惣菜・お弁当・冷凍食品などの市販のものを取り入れるのもOK。特に昼食は麺類や丼ものが多くなりがちなので注意しましょう。
【主食】ごはん、パン、めん類などで、炭水化物を多く含み、エネルギーのもとになります。
【主菜】魚や肉、卵、大豆製品などを使ったおかずの中心となる料理で、たんぱく質や脂質を多く含みます。
【副菜】野菜などを使った料理で、ビタミンやミネラル、食物繊維などを多く含みます。
『毎日プラス1皿の野菜』
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により食生活が大きく変わり、感染拡大前と比べて不健康な食生活になったと感じている方の多くは、野菜の摂取量や果物、肉類、魚類および牛乳、乳製品の摂取量が減ったとの報告があります。
野菜に含まれるビタミンやミネラルは、肉や魚に含まれるたんぱく質や、お米や麺類に含まれる炭水化物など、体を作る、エネルギーになる栄養素がうまく働くための役割を担っています。
大人が1日に必要な野菜の摂取量は350g。これは日本人の平均摂取量にもう一皿加えた量に相当します。
『おいしく減塩1日マイナス2g』
塩分の摂り過ぎは高血圧を引き起こし、高血圧が続くと、心臓病や脳卒中などの原因になります。減塩は、脳血管疾患対策にはもちろん、むくみ対策にも役立ちます。
濃いめの味付けが好きな方、寿司や炊き込み御飯・チャーハン・丼物など味の付いたご飯類をよく食べる方、味噌汁やスープなどの汁物類を1日3回以上食べる方、ファーストフードを週3回以上食べる方は、特に塩分の摂り過ぎに要注意!
コツを知って、おいしく減塩生活を続けましょう。
【減塩のコツ①】「かける」より「つける」
調味料は直接かけると余分にかかり、塩分過多になりがち。小皿に分けて、つけて食べましょう。
【減塩のコツ②】麺や煮物の汁は残す
塩分が5g以上ある麺類は1食で1日の目標量の半分以上を摂ってしまいます。汁を残せば半分以下に。また、味噌汁は1日1杯までにしましょう。
【減塩のコツ③】だし、香辛料、酸味を利用
鰹節、昆布、椎茸などのだしを効かせると、薄味でも美味しく食べられます。香辛料や酢、レモンなどの酸味、青じそ、ハーブ、胡麻など香りを効かせるのも良いですね。
薬局おススメの減塩商品もあります。ぜひお気軽にご相談ください。
『毎日のくらしにwithミルク』
健康寿命を延ばすためには、良質なたんぱく質やカルシウムの摂取が必要ですが、牛乳・乳製品はこれらの手軽で優れた供給源です。 牛乳・乳製品を毎日摂取することで高齢者の低栄養状態が改善されてQOLが向上し、寿命が延びるというデータも報告されています。
カナダMcMaster大学のMahshid Dehghan氏らの研究では、乳製品の摂取量が多い人ほど、循環器疾患にかかるリスクや死亡するリスクが低いことが明らかになりました。
毎日の献立や暮らしに、カルシウムとたんぱく質がバランスよく含まれる牛乳・乳製品を摂りましょう。
さらに
外出の自粛が続き、屋内で過ごす時間が長くなると活動量が低下します。バランスのよい食事とともに、適度な運動が大切です。家の中や庭などでできる運動(ラジオ体操、スクワットなど)で身体を動かし、定期的に体重を量って適正体重を維持しましょう。
(参照)
令和3年度健康増進普及月間について(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20031.html
スマート・ライフ・プロジェクトhttps://www.smartlife.mhlw.go.jp/
保健指導リソースガイドhttps://tokuteikenshin-hokensidou.jp/