2023年05月15日
最近、オンライン診療が広く知られるようになってきましたが、薬局にもオンラインで薬剤師に相談できるサービスがあります。
「オンライン服薬指導は誰でも利用できるの?」
「オンライン診療は知っているけれど、オンライン服薬指導ってなに?」
など、疑問を持っている方もいるでしょう。
スマホやパソコンを使ってビデオ通話をすることで、自宅から薬剤師の説明や相談を受けられるうえ、自宅でお薬の受け取れます。
2022年度の診療報酬改定により、オンライン診療やオンライン服薬指導のルールが緩和され、ますます注目度が高まっています。
そもそもオンライン服薬指導とは?
オンライン服薬指導は、パソコンやスマートフォンなどを利用して、薬剤師が患者さんに薬の飲み方を説明するシステムです。
従来、薬剤師は薬剤師法と医薬品医療機器等法(以下、薬機法)に基づき、原則として対面で服薬指導を行っていました。
これにより、オンライン診療を受けた場合でも、患者さんやその家族は郵送された処方箋の原本を持参し、薬局で対面での服薬指導を受ける必要がありました。
そのため、自宅で診察から薬の受け取りまでを完結させることができず、オンライン診療のメリットを十分に生かすことができなかったのです。
さらにオンライン服薬指導は、離島などの特区に限定されて一定条件下でのみ認められていましたが、
2019年の薬機法改正により、一定の要件を満たせば全国的に解禁されることになりました。
オンライン診療やオンライン服薬指導は、医療資源が乏しい地域に住む患者さんや外出が困難な患者さんなど、さまざまな事情を抱える患者さんにとってメリットがあります。
そのほか、薬剤師の負担軽減や業務の効率化も期待されています。新型コロナウイルスの流行下では、医療機関や薬局での感染リスクを低減できる可能性もあるでしょう。
オンライン服薬指導の対象にわたしはなるの?
2022年度の診療報酬改定により、オンライン服薬指導を受ける条件が大幅に緩和されました。
以前は対象者が限られていたのですが、基本的にオンライン診療を受けた方や在宅医療を受けている方が対象となります。
対面診療で発行された処方箋についても、オンライン服薬指導が可能となりました。
ただし、初診でオンライン診療を行った場合、以下の処方は行われません。
・麻薬や向精神薬の処方
・基礎疾患等の情報が把握できていない患者に対する、特に安全管理が必要な薬の処方
・基礎疾患等の情報が把握できていない患者に対する8日分以上の処方
また、原則として3カ月以内に同じ薬局で再び処方箋にて服薬指導を受けている必要があります。
不安な場合には、対応できるかどうか事前に薬局に問い合わせてみましょう。
参考URL:https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/online-medication-guidance/
オンライン服薬指導のご利用の流れ
ここでは、オンライン服薬指導の具体的な流れについて紹介します。
1.【医師による対面診療もしくはオンライン診察を受ける】
病院やクリニックに足を運んで対面診療を受けます。
また、電話やパソコン、スマホ、タブレットなどの情報通信機器を使ってオンライン診察を受けることもできます。
オンライン診察に対応しているかどうかを確認するために、診察を受ける医療機関に問い合わせてみましょう。
また、厚生労働省のホームページには、オンライン診療に対応している医療機関のリストが公開されているので、こちらで検索することもできます。
診察を受ける際に、担当の医師にオンラインで服薬指導を希望する旨を伝えてください。
また、薬を受け取った後にオンラインで服薬指導を希望する場合は、希望する薬局に問い合わせてみましょう。
薬局では、現在服用している薬の服薬指導をオンラインで受けられる可能性があります。設備や条件が揃っているかどうかを確認してみましょう。
2.【医療機関から薬局へ処方箋を送付】
医師が患者さんに薬を服用する必要があると判断した場合、処方箋が発行されます。
処方箋を受け取った患者さんが薬局で対面での服薬指導を希望する場合、医療機関から患者さんに直接、院外処方の処方箋が渡されます。
患者さんはその処方箋を持って薬局へ行き、調剤と服薬指導を受けます。
一方、患者さんがオンラインでの服薬指導を希望する場合、医療機関はFAXで希望する薬局に処方箋を送信します。
薬局は医療機関からのオンライン服薬指導の連絡を受け取ると、薬剤師が準備を始めます。まずは通信環境を確認し、オンライン服薬指導にどのような情報通信機器が必要か、電話で行うか、パソコン、スマートフォン、タブレットなどを利用するかなどを事前に把握します。
3.【服薬指導計画書の作成】
薬剤師は、次に服薬指導計画書を作成します。
オンライン服薬指導で説明する医薬品の情報や医薬品の受け渡し方法(対面か郵送か)、今後の服薬指導がオンラインのみで行われるかどうか、緊急時の医療機関との連絡方法、搬送についてなど、様々な状況や情報を薬剤師から確認されます。
薬剤師はあらゆる情報を検討した結果、オンライン服薬指導だけでは十分な薬剤管理指導が行えない場合、オンラインでの指導ができず、対面での服薬指導に切り替えることがあります。
4.【薬剤師による調剤】
服薬指導計画書の作成と同時に、薬剤師は処方箋に基づき調剤を行います。
患者さんの状況に合わせて薬の投与量など、適切に処方されているか処方内容を確認し、もしも処方内容に疑問がある場合は、処方箋を発行した医師に相談し、患者様にとって適切な調剤を行います。
5.【オンライン服薬指導の実施】
調剤が完了した後、薬剤師は、患者さんに電話やスマートフォン、タブレットなどを使って連絡します。
薬局によっては専用のソフトやアプリを使う場合もあるため、患者さんは事前に準備しましょう。
通常の服薬指導と同様に、服薬指導内容はお薬に関する情報提供が行われます。
処方されたお薬の効能や効果、注意すべき副作用や飲み合わせ、食事との相性、取扱いに関する注意点などが説明されます。
医薬品は、薬剤師の服薬指導に従って適切に取り扱われ、服用されることが、治療において非常に重要です。
6.【薬局から患者さんへ医薬品が配送される】
お薬が調剤された後、患者さんの自宅または入所している施設にお薬が配送されます。そうすることで、外出せずに受け取ることができます。
ただし、医薬品の内容によっては配送できない場合があります。
また、従来通り、薬局の店舗でお薬を受け取ることも可能です。薬局でのお薬の受け取りを希望する場合、オンライン服薬指導中に薬剤師に相談してください。
7.【医師への情報共有】
オンライン服薬指導後、必要に応じて薬剤師は患者さんに関する情報などを医師と共有します。
こうすることで、医師と薬剤師が協力して患者さんの健康管理を行っています。
オンライン服薬指導で今後ますます便利に!
この記事では、【オンライン服薬指導について説明し、オンライン服薬指導を受けるための方法や注意点について】紹介しました。
オンライン服薬指導は、医療サービスの少ない離島などの地域にお住まいの方、感染症のリスクを避けたい方、待ち時間を減らしたい方にとって、とても便利なサービスです。
今後、ますます便利になるこのサービスを、ぜひご活用ください。
富永薬局は、岡山市、倉敷市、玉野市などに20店舗以上展開しており、岡山県内で最も店舗数が多いチェーン薬局です。
地域に密着した薬局として、地域の方々とのコミュニケーションを大切にしています。
また、「オンライン服薬指導」について気になることがあれば
お気軽に最寄りの富永薬局にお問い合わせください。
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