2023年05月22日
医師の処方箋に基づいて正確かつ迅速に薬剤を選び出すことが求められるため、
薬剤師にとっては責任の大きい仕事といえます。
また、患者さんにとっても、ピッキングの正確さやスピードが、
待ち時間の短縮につながるため、重要な業務といえるでしょう。
この記事では、調剤薬局におけるピッキング作業について解説します。
✅本記事の内容
- 安全な医療サービスを支えるピッキングと調剤薬局事務の役割とは?
- 薬剤師と事務の連携も重要!ピッキングの問題点とは?
- ピッキングの効率と正確さを向上させる、7つのチェックポイント!
- 富永調剤薬局ではピッキングスキルアップの研修も!
ピッキングのミスを防ぐためのポイントやスキルアップ方法について学ぶことで、
薬剤師や調剤薬局事務を目指す人、患者さんにとっても、
医療サービスの質を向上させるために、役立つでしょう。
安全な医療サービスを支えるピッキングと調剤薬局事務の役割とは?
「ピッキング」とは
調剤薬局において、薬剤師が医師によって処方した医薬品を患者さんに渡すまでの一連の作業の中で、
処方箋に書いてある医薬品を棚から必要な数だけ取り出して集めることを指しています。
この作業は薬の種類や重量、数量をしっかりと確認しながら取り出さねばならないため、
責任が大きく医薬品の知識が必要な仕事です。
調剤薬局事務は受付やレセプト、請求業務など、多岐にわたる業務を担っています。
調剤薬局事務の役割は、薬局における円滑な業務遂行を支えることです。
患者さんからの問い合わせや処方箋の受付など、
調剤薬局事務の業務は患者さんとの接点が多く、医療サービス提供の質を向上させる上でも重要な役割を果たします。
また厚生労働省が調剤補助に関する通達である「調剤業務のあり方について」(平成31年4月2日)を発表したことにより、調剤薬局の事務員でもピッキング業務も行えるようになりました。ピッキングには薬剤師の指示・管理が必要であり、薬剤師の目がきちんと届く場所で行うことが条件となっています。
ピッキングは調剤薬局事務ができる仕事の一つですが、ルールを守って正確に行うことが重要です。
ピッキングを通じて、調剤薬局事務は薬剤師の業務を効率的にサポートし、患者さんへの安全な医療サービスに貢献できます。
薬剤師と事務の連携も重要!ピッキングの問題点とは?
ピッキングは、医療サービスを支える重要な役割の1つです。
調剤薬局事務が行うことによって、薬剤師は調剤や患者さんへの説明に専念することができます。
ピッキングを迅速にかつ正確に行うことで調剤にかかる時間が短縮されるため、患者さんの待ち時間が減少することにつながります。また、調剤薬局事務がピッキングに専念することで、薬剤師は他の業務に時間を割けます。
一方、
ピッキングの問題点としては薬剤師の負担が減る分、調剤薬局事務の負担が増えることが挙げられます。
また、薬剤師と事務のコミュニケーション不足からミスが生じる可能性があるため、
調剤薬局事務によるピッキングは適切な研修や教育を受けた上で行われる必要があります。
ピッキングの効率と正確さを向上させる、7つのチェックポイント!
ピッキングのスキルを上げるためには正確な薬品名や規格を見逃さないことが大切です。
またジェネリックのメーカー名にも注意が必要です。
ここからはピッキングのスキルを上げるためのポイントをみていきましょう。
【店舗にある薬を覚えていく】
店舗にある薬を覚えていくためには、まずは薬品名や規格をしっかりと覚えることが大切です。また、ピッキング時には調剤支援票や薬情だけを見てピッキングすることが多いため、処方箋の内容をしっかりと確認するようにしましょう。
【処方箋を全体的におおまかに見る】
処方箋を見るときに、細かい部分だけに目がいってしまうと、時間がかかったり、ミスをしたりする可能性があります。そこで、処方箋を全体的におおまかに見るという方法がおすすめです。
この方法では、以下の4つのポイントに注目します。
・処方箋の発行日と有効期限
・患者さんの氏名と年齢
・診療科目と診断名
・処方された薬の種類と数量
これらのポイントを把握することで処方箋の内容を大まかに理解し、ピッキングの効率や正確さを向上できます。
発行日と有効期限を確認⇒処方箋が古くなっていないか、期限内に使用できるかを判断できます。
氏名と年齢を確認⇒患者さんの性別や年代を把握し、適切な薬を選ぶことができます。
診療科目と診断名を確認⇒患者さんがどんな病気や症状に悩んでいるか、どんな治療を受けているかを理解できます。
処方された薬の種類と数量を確認⇒薬の種類ごとに分類しやすくなります。
また、数量が多い場合や少ない場合は、医師や患者さんに確認する必要があるかもしれません。
【処方箋を見て、ピッキングをする】
処方箋をよく見て、薬品名・規格・剤型・(ジェネリックならメーカー名)のチェックをしましょう。
また、ピッキングするべき数も確認しましょう。処方箋は絶対的なものであり、印刷物や手帳シールなどに頼らずに調剤していくことが大切です。
次に、処方箋の上から順に取っていきましょう。薬の場所を確認するためには記憶力や知識が必要です。
また錠剤は抱き合わせにすると監査する人が数えやすくなります。
慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、
繰り返し行うことで効率的かつ正確なピッキングができるようになります。
次にピッキング作業の効率を上げる方法をみていきましょう。
【医薬品の配置を工夫する】
医薬品はよく使うものや同じ種類のものを近くに配置することで、探す時間や移動距離を短縮できます。
また、医薬品のラベルや棚札を見やすくすることも重要です。
【チェックリストやバーコードを活用する】
ピッキングした医薬品は必ずチェックリストやバーコードで確認することで、間違いや漏れを防ぎます。
チェックリストは処方箋と一致しているかどうかを確認するためのものです。
バーコードは医薬品の名前や数量などを読み取るためのものです。
ピッキング作業をスムーズに進めるためにこれらの方法を活用することが重要です。
配置やラベル、チェックリストやバーコードなど、細かな点にも気を配ることで効率的な作業ができるようになります。
調剤薬局で働く方にとって必須のピッキング。
そのスキルアップには以下のポイントが重要です。
【医薬品の知識を身につける】
ピッキングは医薬品の名前や特徴、用法や用量などの知識が必要です。
医薬品の知識を身につけるためには次の方法があります。
・調剤薬局で働く薬剤師や先輩に質問する
・医療系のニュースや情報サイトを読む
・医療系の資格試験や検定試験などに挑戦する
医薬品の知識があれば、
処方箋を読んでどの薬を探せば良いかが分かり、ミスを減らすことができます。
【スピードと正確性を向上させる】
ピッキングは速くても正確でなければ意味がありませんし、正確でも遅すぎても困ります。
スピードと正確性を向上させるためには次の方法があります。
・処方箋の内容を一目で把握できるようにする。
・ピッキング作業に集中できる環境を作る。
・ピッキング作業の時間やミスの回数を記録して、自分の成果や目標を把握する。
これらの方法を実践して、ピッキング作業のスピードと正確性を向上させましょう。
富永調剤薬局ではピッキングスキルアップの研修も!
ピッキングは調剤業務において重要なプロセスの1つであり、
患者さんへの適切な医薬品の提供に大きな影響を与えます。
そのため、ピッキングの効率化は調剤薬局にとって重要な課題です。
富永薬局でピッキングスキルとコミュニケーション能力アップを
富永薬局ではピッキングだけでなく、患者さんとのコミュニケーションや健康相談にも積極的に取り組んでいます。
薬剤師としてのスキルアップだけでなく、患者さんとのコミュニケーション力も高められます!
また、富永薬局では薬剤師や事務スタッフのスキルアップをサポートしています。
富永薬局のサンデーセミナー(サンゼミ)は薬剤師認定制度認証機構(CPC)に認証された『認定薬剤師研修』です。
認定薬剤師取得・更新に必要な受講認定単位を付与します。
富永薬局のサンゼミは毎月第3日曜日開催。医療や介護福祉の世界で活躍される著名人を講師にお迎えし、岡山で活躍する薬剤師の皆さんに、受講料フリーで高度な生涯教育プログラム、多角的な生涯教育の場を提供しています。
当薬局では時短で働けるパートも随時募集しておりますので
薬剤師としてキャリアアップを目指している方は
ぜひ私たちと一緒に患者さんのために働いてみませんか?
<~はじめて薬剤師になった先輩の声~>
富永薬局では新人薬剤師がいきなり「1人薬剤師」の店舗やパートさんだけの店舗に配属されることはありません。
必ず複数の先輩に指導を受けられる環境で勤務させてもらえます。
私が最初に勤務したのは妹尾店でした。
地域でも人気のクリニックが集まる
医療モールでとても忙しく、はじめのうち戸惑いもありましたが、、
・いつも笑顔で優しく声をかけてくれる先輩
・私の拙い質問にも的確に回答してくれる頼りがのある先輩
・弱気になったときに親身に話を聞いて励ましてくれた先輩
など何人もの先輩方に毎日いろいろと教わり、仕事を覚え、おかげで一歩ずつ自信をつけることができました。
初めての服薬指導の前日に
A先輩から薬剤師としての心構えと患者さまに寄り添う話し方を教えてもらったことは忘れられませんり
私が別店舗に異動した今でも気にかけてくれ
サンゼミで会ったときに近況を報告しあったり親しくしていただいています。
(薬剤師女性 Kさん)