岡山には「邑久光明園」「長島愛生園」という二つのハンセン病療養所があります。
ハンセン病は、慢性の細菌感染症の一つで、1943年(昭和18年)には特効薬が発見されています。しかし、我が国で全患者の終生絶対隔離政策として制定された「らい予防法」の廃止は、特効薬登場から半世紀以上を経た1996年(平成8年)まで待たねばなりませんでした。
ハンセン病は非常に感染しにくい疾患です。また薬物治療により完治できるため、隔離などの特別な対策は不要という科学的事実が明らかになったにもかかわらず、不適切な法律の存続と根強い差別偏見によって多くの方が社会復帰を実現できませんでした。ハンセン病そのものは治癒して久しい今でも、療養所で生活されている方が多数いらっしゃいます。
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1月のサンデーセミナーでは「ハンセン病を取り巻く社会と医療」として、国立療養所邑久光明園の笠井紀夫先生を講師にお迎えしました。重いテーマでしたが、溌剌とした先生の話しぶり、参加者を巻き込む様々な問いかけで、屈託無く明るいムードの講義に。
ハンセン病の医学的見地から始まり、日本のハンセン病療養所の過去・現在・未来について、その事実を学ぶことが出来ました。
岡山で医療に携わる一人として、今回得た正しい知識と情報をしっかりと心に留めておきたいと思います。
▼国立療養所邑久光明園のホームページ
http://www.komyoen.go.jp
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次回のサンデーセミナーは2月15日。
『在宅を踏まえた薬局における感染対策』
就実大学薬学部の塩田澄子教授にご講義いただきます