第379回 サンデーセミナー
【日時】 2021年 2月14(日) 9:50~12:30
【会場】 zoom会議室
セントラルフォレスト(岡山市北区本町6-30第一セントラルビル2号館8階)より中継
【講義プログラム】
■『万病のもと「慢性炎症」と糖化』
森 秀治 先生
(就実大学薬学部 教授、大学院医療薬学研究科長)
■『GLP-1受容体作動薬について(作用と特徴・使用上の注意)』
大西 仙 氏
(ノボノルディスクファ ーマ株式会社)
【研修認定単位】 1.5単位
地域薬局には、安心して立ち寄りやすい身近な相談の場として、地域住民の健康意識を高め、国民の病気の予防や健康サポートに貢献する役割が求められています。
第379回のサンゼミオンラインでは、「糖化」をキーワードに、就実大学薬学部の森秀治教授に、ご講演いただきました。
慢性炎症は様々な疾患の発症・憎悪に関係しています。慢性炎症による生活習慣病、老化のメカニズムについて、図解を用いてわかりやすく丁寧にお話しいただき、生活習慣病や老化につながる「糖化」を避けるための食事(食事時間、回数、食材の調理方法など)を中心とした健康管理の話題をお伺いしました。
糖と賢くつき合い健やかに生活していく知恵をお伝えし、健康寿命が少しでも長くなるように薬局がお手伝いできればいいですね。
【受講者のこえ】
■ 糖化についてTVなどでしか見聞きしてこなかったので、そのメカニズム、影響、疾患との関連が詳しく紹介されてわかりやすい内容でした。糖化を避ける食事法についてもまず自分が実践してから患者様にもお伝えできれば、と思う。
■ 糖尿病の患者さんが食事法で悩んでいたら、糖化を避ける食事法(高GI値食品は後に食べる、朝食は抜かない など)をアドバイスしたい。高GI値食品・低GI値食品にはどんなものがあるかを知ってバランスよい食事を心がけてもらいたい。糖化を避ける食事法で様々な疾患を予防できるので知れて良かった。
■ 普段の食事でおいしそうに見えるコゲがAGEsに関与していると知りびっくりしました。食事時間や内容など自身の食生活を見直す良い機会となりました。
■ 基礎研究をされている大学教授のお話は、臨床の先生とは視点が違っていて面白かったです。
■ 特に糖尿病の患者に対して薬の説明だけでなく、食事の時に注意しておけば効果がある内容をお話しすることができます。患者様の状態を会話から得て、スムーズに食事の内容まで話題を広げていくことができると思います。
■ 「炎症」という言葉を日々繰り返し使っているけれど、いざよく考えるとかみ砕いて説明することはほとんど無かったなと思いました。患者さんには少しでも簡易な言葉が必要だともうので、良い理解と復讐の機会になりました。糖化を避ける具体策のあたりからは、わが身や家族のほうに役立ちそうな内容でした。昔腰痛を起こしたときに「甘味を避けろ」と言われたことがありますが、懐かしい…というか、実践は難しいなあと。
■ 糖化を避ける食事法など日常で気を付ければよいことがいろいろわかって良かったです。薬局は健康サポートできる場所なので、ぜひ教えてあげたいと思います。
■ 糖や酸化が老化や生活習慣病に関係する重要因子だということを学び、生活習慣がいかに大事であるかということが理解できた。
■ 糖尿病の合併症の起こるメカニズムがより理解でき、ためになりました。AGEsが骨粗鬆症の原因になることは初めて知ったので、新しい知識が得られてよかったです。
■ これまで血糖コントロールや脂質代謝異常のことばかり考えて食事の摂り方のアドバイスをしていたので、今回の「糖化」というキーワードを取り入れることで新しい切り口から食生活改善の提案をして行けそうだと感じます。たいへん参考になりました。
■ 慢性炎症は、炎症が急性期を過ぎて慢性化したものだと思っていましたが、炎症の4主徴がほとんど認められず組織の構造変化と機能欠損を生じ不可逆的であることを認識しました。服薬指導時にもう一歩踏み込んだ指導と、話のきっかけができる内容だったのでとてもよかったです。
■ 森先生が言われていた「酸化より糖化を抑えるほうが難しくない」その通りだと思ったので、患者さんに説明しつつ、自分も私生活で気を付けていきたいと感じました。
■ 今回の森先生の講義は、臨床につながる見方・視点を持てる非常に有意義な講義でした。現場で働く者として。臨床研究から実臨床へステップアップしやすいものは非常に助かるものです。
続いて、ノボノルディスクファ ーマ株式会社の大西氏より、2型糖尿病の治療に使用されるGLP-1受容体作動薬とはどのような薬か、またインスリン製剤との違いについて解説いただきました。
【受講者のこえ】
■ GLP-1受容体作動薬については自分の知識不足なところもわかって良かったです。処方があれば経口薬についての服薬注意点や副作用について患者様にお伝えします。
■ GLP-1受容体作動薬では、注射の場合、患者さんがインスリンと勘違いしていないか、投与回数の確認、錠剤だと空腹時に服用することなどをしっかり確認しておく。
■ 従来は注射薬であったが、最近経口の薬剤も使えるようになった。新発売の薬の内容だったのでよかったです。今後処方が増えると思うので、すぐに役立ちそうな情報でした。服用方法に注意点が多いが学んだことを実施の指導に生かせると思う。
■ 糖尿病治療に関して再確認できました。経口薬・注射薬の分類、併用に関して勉強になりました。
■ 薬剤の使用に際して留意点がわかりやすくまとめられていたので良かった。GLP-1受容体作動薬のダイエット目的での使用のケースなどは、日常業務で触れることがなく、あまり意識していなかったが、思った以上に広く一般的に知られているようで驚いた。