第394回 サンデーセミナー
【日時】 2022年 5月15(日) 9:30~12:30
【会場】 zoom会議室
SWITCH WORKS(岡山市北区本町6-30第一セントラルビル2号館7階)より中継
【講義プログラム】
■『脳卒中による後遺症』
佐藤 三矢 先生
(吉備国際大学保健医療福祉学部 准教授)
■『夏場に多い皮膚疾患 ~真菌性、帯状疱疹を中心に~』
大原 亨 氏
(マルホ株式会社)
【研修認定単位】 1.5単位
第394回サンゼミでは、昨年フレイルの講義が好評を博した佐藤三矢先生に、再びご登壇いただきました。
「知っていなければミステリアスで意味が分からない現象に映ってしまう」---運動の障害、感覚の障害、高次脳機能障害など、脳卒中片麻痺に見られる様々な病態。
急性期はもとより維持期に至るまで、医療や介護の現場ではスタッフが脳卒中片麻痺に遭遇する機会が少なくありません。脳卒中とその後遺症について正しい知識を身につけていれば対応を誤らず、対象者ご本人やご家族から高い信頼を得られます。患者様に寄り添う“かかりつけ薬剤師”としてしっかり学んでおきましょう。
理学療法士としても活躍される佐藤先生ご自身の経験に基づく事例を交えつつ、体全体で表現しながら、難しい内容をわかりやすくご教授くださいました。
熱があふれる語り口に引き込まれ、薬剤師からは「時間があっという間だった、もっともっと詳しく聞きたい」との声が多数あがりました。
佐藤先生、ありがとうございました。
【受講者のこえ】
■ 脳卒中の後遺症について、今まであまり知らなかったが、具体的に知ることができた。患者さんの中には問いかけにあまり反応されない方もおられるが、その中にはもしかしたら後遺症のために話したくないという方もいらっしゃるかもしれない。そういう病気のことも理解して投薬することは患者さんの心を理解しやすくなるのではと考えます。
佐藤先生のお話は症状を実演して下さる感じでとてもわかりやすかったです。もっといろいろな話を聞いてみたいと思いました。
■ 脳卒中の患者さんは普段から薬局にもよく来られるが、マヒがあったり動きにくそうだなと思っても詳細がわからずなかなかつっ込めない。先生が今日言われたようにミステリアスな状態になってしまう。少しでもわかれば対応も違ってくると思うので、今日の知識を生かして少しでも患者さんの思いを汲んであげられたら話しやすいと思いました。
体のマヒや後遺症をもたれている方は多いはずなのに、なかなか学ぶ機会が少なかったのでよい勉強になりました。とてもわかりやすい講義でした。薬剤師はどうしても薬の事しか見ないような状態に陥りがちですが、患者さんにとって障害は非常に大きなことなので、それも含めて考えながら対応したいと思いました。
■ 脳卒中の治療では薬物療法だけでなく、手術、リハビリを組み合わせて行うため、リハビリや回復順序、具体的な症状についても勉強し、ご家族の話を聞いてアドバイスできるようにしたい。失認、失行、失語は認知症ではないので注意する。
脳卒中の後遺症は知っていたけど、具体的な特徴を理学療法学として説明して下さりとても勉強になった。他の医療従事者の話を聞くことで、今まで気づかなったことに気づけた。
■ 体全体で話をして下さったのでとてもわかりやすく理解が深まりました。脳卒中により在宅対応になった患者さんもいるので、得た知識を今後の業務に生かしていきたいと思う。
■ 感覚障害のある患者さんへの接し方を考えながら接する必要がある。触れただけなのに痛い等の異常がある場合があるから配慮が必要。滑舌、声の大きさ、頬の筋肉をつかって口を大きく開けるなど、聞き取りやすい話し方も今後の業務に生かしたい。
脳卒中の病態については大学講義で学びましたが、麻痺の症状やステージについては初めて詳しく知ることができました。
■ 片麻痺という言葉は知っていたが今回実際にどのような状態なのか知ることができたので、脳卒中の後遺症のある患者さんの薬を用意するときに参考にしたいと思う。在宅で片麻痺のある方と関わることがあるが、薬にしか目が行ってなかったように思う。今回、他職種の方の話が聞けて、新しい視点が得られた。
■ 佐藤先生のご講演は大変分かりやすく、脳卒中後遺症を持つ患者様に関わる上で大変役立つ内容でした。当たり前なことができないとすぐに認知症を疑ってしまうのではなく、状態をよく観察し知識を得ておく必要があると思いました。
■ 脳卒中による後遺症について知らなかったことがとても多かった。脳卒中患者さんとのコミュニケーションの取り難さを感じていたので、今回教えて頂いた特性や、コミュニケーションのコツ等を参考にしようと思う。
佐藤三矢先生の講義は異職種ということもあり、知らなかったことを多く学べてとても参考になった。話も分かりやすくずっと集中して受講することができました。
■ 脳卒中における片麻痺は、佐藤先生が話されたように正しい知識を持っていないと認知症や構音障害と誤った認識をしてしまう症状だということが理解できました。脳卒中を未然に防ぐためには生活習慣が大事だと思うので、薬剤師生活習慣を把握しアドバイスすることが役割だと思いました。また、視野狭窄と片側認識できていないのは区別しないといけないなと思いました。会計トレーに気づかずお金を変なところに置く方が時々いらっしゃいますが、認識できていなかったのかも。トレーの位置をずらしてみればよかったかもしれません。
■ 家族に脳卒中の高次脳機能障害があるため自分にとっても身近な話題で、色々な疑問が解決するような内容だった。薬局や特養で失語症と思われる方もいたが構音障害の人との区別がついていなかったと今回よくわかった。負担にならない質問をすることでコミュニケーションがスムーズになる事を学んだので生かしていきたい。
■ 脳卒中の後遺症として起こる運動・感覚・言語や認識等の障害がどのような状態になって身体上に現れるのか、大変具体的に説明していただき勉強になった。来局した脳卒中患者の状態を観察し、どの程度の回復ステージにあるのか、どのような機能が障害を受けているのかを適切人判断して対応したい。
■ 脳卒中の後遺症と認知症の違いについて、処方やカルテから適正に判断することの重要性を感じた。似た症状であっても全く異なるものであったり、片麻痺や感覚の異常については人それぞれなので、触れる時にも注意が必要だと思った。
■ 回復期リハビリを行っている病院が前にある薬局なので、運動障害のある方もいらっしゃいます。手足のトレーニングで薬をヒートから自分で出したいと言われる方、薬を落とすので一包化して欲しい方、様々な方がおられます、患者様のニーズに合った服薬指導、調剤方法を考えていきたいと思います。その疾患の特徴を知っているかどうかで対応が異なるだけなく、患者本人やその周りの方からの信頼にも大きく影響することが分かりました。患者の主訴(主症状)だけを取り上げていたら、知識不足のせいで誤った解釈や指導を行いかねないので気をつけたいと思いました。
梅雨の時期から夏にかけては皮膚トラブルのトップシーズン。
続いては、水虫や帯状疱疹等、夏場に多い皮膚疾患と治療について、薬剤師が抑えておくべきポイントを、皮膚科専門の製薬会社であるマルホ株式会社様に講義いただきました。
【受講者のこえ】
■ 真菌性皮膚疾患、帯状疱疹の病態・疫学・治療方法を学んだ。適切な有効成分や剤型の選定が可能であること、治療期間中の生活上の注意点など、知っておくと便利な情報だった。
■ 帯状疱疹はよく聞く病名だが合併症などあり発症したくない病気であると思う。早期治療が大切なため、確実に服用していただけるように投薬時に指導することが大切だと考えます。
■ 足白癬は今から多くなってくるので、指導ポイントを参考にして服薬指導をしていきたい。
■ 実際にどんな症状が出るのか知ることができとても興味深かったです。原因菌ごとに効果的な治療薬の使い分けなどしっかり学んでおこうと思いました。
■ 白癬にこんなにたくさんの種類があることを初めて知った。それぞれの症状を画像で見ることができイメージが浮かぶようになったので、患者さんからの聞き取りに生かしたい。皮膚科の処方箋が多い店舗なので、真菌症や帯状疱疹の治療はよく目にする。同じ説明を繰り返していたところがあるので、今回改めて基本的なことを学べてよかった。
■ 外用剤ごとの菌に対する活性によって適切な治療が受けられるように、時には医師に提案しようと思う。1FTUをはじめとした適切な使用方法をもっと患者さんに伝えていこうと思う。
■ 門前に皮膚科があるので、普段業務で生まれた疑問を解決する良い機会になりました。外用薬の必要量、足バージョンは初めて見ました。患部にだけ使っている方が多いと思うので靴の当たる面全面に塗るよう指導しようと思います。