第396回サンデーセミナー(2022年7月)【オンライン】地域連携「岡山ろうさい病院」シリーズ②

第396回 サンデーセミナー

【日時】 2022年 7月 24(日) 9:50~12:30

【会場】 zoom会議室

     SWITCH WORKS(岡山市北区本町6-30第一セントラルビル2号館7階)より中継
【講義プログラム】

 ■『胸部悪性腫瘍の薬物療法:最近の動向』
  藤本 伸一 先生
  (岡山ろうさい病院 腫瘍内科部長・呼吸器内科部長)

 ■『腫瘍性大腸炎の病態と治療』
  朝井 康介 氏
  (キッセイ薬品工業株式会社)

【研修認定単位】 1.5単位

   

肺がんの治療には手術・放射線治療・化学療法がありますが、なかでも特に化学療法は、分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬の出現によって2000年代から劇的に進歩してきました。

しかし分子標的薬・免疫療法における特有の有害事象をマネジメントし服薬コンプライアンスを良好にするためには、慎重な観察と薬剤師の介入がとても重要になります。

 

第396回サンゼミオンラインでは、岡山ろうさい病院 腫瘍内科部長の藤本伸一先生から、肺がん治療を中心にお話しいただきました。
抗悪性腫瘍薬の歴史と治療の移り変わり、胸部悪性腫瘍における薬物療法の最新動向、多様な薬剤の特徴について、副作用の発現と対処法など、丁寧に講義してくださって、難しい内容ではありましたが楽しく勉強できました。

藤本先生、ありがとうございました。

 

主に地域のクリニックからの処方箋を応需し、抗がん剤の処方に遭遇する機会はあまりない薬剤師も多いのですが、病院で腫瘍の専門医療を受けている患者さんも普段の生活の中で、地域のクリニックにも通っている方はたくさんいらっしゃいます。
患者さんが体調や薬のお困りごとを安心して相談でき、主治医や病院薬剤師へ橋渡しできる、そんな存在でありたいもの。患者さんが住み慣れた地域で安心して療養を続けられるよう、薬局薬剤師としてサポートしていきたいです。

 

 

 

 

【受講者のこえ】

  肺がんについて使用される各薬剤の話を聞くことができ勉強になりました。薬剤ごとの比較や、肺がん治療の全体的な歴史も知ることができて良かったです。服薬コンプライアンスや有害事象のマネジメントにおいて、薬局で患者様とのコミュニケーションを通してしっかり聴取し薬物療法に貢献していきたい。

 現在の業務においてなかなか肺部悪性腫瘍の患者様に対応することがなく苦手な分野であるが、治療の移り変わりや最近の治療薬の知識、ガイドライン等は身につけておこうと思う。医師による講演を聞ける貴重な機会。

 肺がんの治療、特に分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬について詳しく学べて参考になった。中皮腫について勉強会で聞くのは初めてだったのでとても興味深かった。肺がんの治療が時代とともに進歩していることがよく分かった。薬局で扱うなら内服の分子標的薬か。副作用の少ない薬ではあるが、物によっては下痢や皮膚の症状が出ることが分かったので、患者さんが困っていないか注意していこうと思う。

 

 ふだん投薬する機会のない病態の患者さんや薬について勉強できるのも知識を広げるうえでとても良い。肺がん治療患者さんが来られたことはないが、処方せんを受ける機会があれば服薬コンプライアンスを良好にするため、副作用軽減のため、聞き取りそ十分に行いDrにフィードバックしたい。症状の悪化を抑えるには患者さんに合った薬の内服を続けることが大切だが、副作用が強いとなかなか続けられなかったり、飲めていないのに飲んでいると言ったり、病院と薬局で話している内容や相談してくれる内容も違ったりするので、副作用が出やすく症状のつよい薬ほど、病院と薬局の連携が大切になると思いました。

 

 スライドやその際のニュースも交えてお話しいただき、腫瘍に対する治療の変遷がよく理解できた。

 

 最近は薬局の近くの方が遠方の大きな病院の処方箋を持ってこられることも多くなってきました。胸部悪性腫瘍の患者様の来局はまだありませんが、いつ来られても慌てないよう知識を持っていたいと思います。たいへん貴重なお話を聞けてためになりました。

 

 分子標的薬の皮膚症状などの特徴的な有害事象を気にかけながら服薬指導していきたい。皮膚の痛みなどで患者さんが服用せず家に余っていることなどがあるため、自己判断で中止せず困った事があれば医師に相談するようアドバイスする。おくすり手帳による併用薬のチェックなど、今回得た知識を外来の服薬指導に生かしたいと思います。

 

 ふだん接することのない薬の分野の話が聞けて参考になりました。色々な病院の処方箋に対応できるように薬の知識を増やしていきたい。

 

 外来ではほとんど接することのない疾患、薬剤のため難しく感じましたが、臨床像、現在の薬剤の効果など勉強になりました。今回ご講演いただいた内容を活用して、抗がん剤の有害事象のマネジメントについても服薬指導できるように備えたい。藤本先生のお話で分子標的薬など処方数が少ない薬について患者さんがちゃんと薬をもらっているか、コンプライアンスはどうか、副作用は大丈夫かなど医師がご心配されていることがよく分かったので、処方を受付けたら服薬情報提供書などを活用したいと思いました。

 

 藤本先生の講演は実際の経験を元にとてもわかりやすかったです。高額な薬が多いが有効性もあることがわかりました。肺がんの治療のこれまでの経緯がとてもよく理解できました。最近の治療についても臨床試験に基づき講演いただいたのでたいへんわかりやすかったです。分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の特徴的な副作用を頭の中で整理して、見逃さないように対応していきたいです。

 

 コロナウイルス感染症拡大の一途をたどる現状で、感染者数・重症者数の変動とそれを引き起こしているもの、がん治療という免疫がより重要になってくる疾患を関連させて考えることができた貴重な時間でした。世の中に様々な情報があふれている中で、がん治療を他国と比較することも重要なのではないかと考えることができました。ありがとうございました。

 ふだん見る機会の少ない薬剤等興味深く参加させていただきました。新しい薬が出て効果も上がってきているが副作用や高価な薬ということで服薬継続には正しいサポートが必要。患者様ごとに日常生活は異なるので、寄り添ってサポートできれば良いと思いました。最新情報に注目し、病診と地域連携を大切にしていきたいです。

 

 抗がん剤は多種ありすぎるだけに特性を分かり難いところもあったが、今回の講演では時系列でまとめられていたのと、効果を新幹線や飲料水にたとえられイメージとして理解しやすかった。とても良かったと思う。副作用について患者さんがDrにはしっかり話してくれないこともあるとのこと。看護師や薬剤師などサポートスタッフの方が話しやすいことも多いのかもしれない。「困ったことはありませんか?」など声掛けをして話すきっかけを作るように心がけたい。

 

 肺がん治療薬に限った話ではないが、同一の作用機序でも特徴が異なったり臨床的にあまり用いられないものがあることが分かった。EGFR阻害薬の副作用で特徴的な口内炎・爪囲炎などに関して投与前で説明、対処法の指導などで薬剤師は貢献できると思いました。また副作用と似た症状に対する受診でお薬手帳にて抗がん剤治療中であることが確認できた際に、単独で考えるかあるいは治療の一環と結び付けられるかも重要だと思いました。 副作用や処方時の考え方など実際処方されている先生の話を聞くことができて良かった。病院の特徴も聞けて考えが深まった。

 

 一口に肺がんといっても遺伝子異変のタイプのバラエティの多さや人種間でも変異を起こす割合に差が顕著にみられたデータが、個人的には非常に興味深かったです。そういった観点からも知見の治療成績のデータをチェックするときに母集団のバックグラウンドを注意して解釈しないといけないなと自省しました。 

  

 

つづいて、キッセイ薬品工業株式会社・朝井康介氏から、近年患者数が増加している潰瘍性大腸炎についてお話を伺いました。その病態、具体的な症例、治療ガイドラインなどわかりやすくご講義いただきました。

潰瘍性大腸炎については、2022年9月の第398回サンゼミオンラインで専門医にご登壇いただき、さらに理解を深めていく予定です。

 

 

【受講者のこえ】

 ■ 潰瘍性大腸炎は発症すると治療期間がとても長くなる。患者さんの治療に対するモチベーション維持、服用アドヒアランスの確認、日常生活でのアドバイス等で患者さんに寄り添っていきたいと思う。

 

 ■ 潰瘍性大腸炎の治療では寛解導入期と寛解維持期では使用される薬剤に違いがあることが理解できた。患者さんと接するときには、今どの状態にあるのかを聞き取りながら指導したい。

 

 ■ たまに潰瘍性大腸炎の方が来られます。状態に波があるようなので一歩踏み込んだ服薬指導ができるようにしたいです。

 

 ■ 従来の治療に加えて新たな治療法についてわかりやすい講義だった。

 

 ■ 潰瘍性大腸炎の病態と治療指針について系統的に理解、整理することができました。

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