第398回サンデーセミナー(2022年9月)【オンライン】治療ガイドライン<IBD>

第398回 サンデーセミナー

【日時】 2022年 9月 25(日) 9:50~12:30

【会場】 zoom会議室

【講義プログラム】

 ■『潰瘍性大腸炎治療 2022』
  石井 学 先生
  (いしい内科・胃大腸内視鏡・IBDクリニック 院長)

 ■『慢性便秘症の病態と治療方法について』
  藤田 一平 氏
  (EAファーマ株式会社)

【研修認定単位】 1.5単位

   

最近はTVコマーシャルなどでも「腸内フローラ」や「腸活」という言葉をよく耳にするようになりましたね。
ヒト体内には約1,000種類、100兆~1000兆個(重さにして約1~2kg!)もの腸内細菌が存在し、「腸内細菌叢(腸内フローラ)」を形成しています。
これらの腸内細菌によって腸管炎症の制御がなされており免疫の基盤となっているため、腸内細菌叢の変化と炎症性腸疾患の関連が指摘されています。また、腸内細菌叢は様々なホルモンのシステムに作用してストレスを取り除く役割もあり、その働きは心臓や肺などのように独立した一器官に相当すると言われています。

 

 

第398回サンゼミでは消化器内科専門医でもある石井学先生から、IBD(炎症性腸疾患)についてご講演いただきました。
現在日本国内では22万人以上が潰瘍性大腸炎に罹患しており、その患者数は年々急激に増加。特に20代から30代の若年層で発症が多く見られます。
自分の免疫が身体を攻撃してしまう病態で、厚生労働省から難病に指定されていますが、適切な治療を受けて症状を抑えられれば、健康な人とほとんど変わらない日常生活を続けられます。
しかし一旦発症すると根治することは稀で、生涯治療を継続していかなければいけないため、医師・薬剤師がしっかりと連携しながら長期的に患者さんをサポートし続けることが重要になります。

 

 今回ご登壇くださった石井学先生は、2022年12月、岡山市南区妹尾に「いしい内科・胃大腸内視鏡・IBDクリニック」を新規開院されます。
https://ishii-naika-clinic.net/

 

 

【受講者のこえ】

 免疫に関する言葉を見て、それぞれの役割等を忘れかけていたので、改めて免疫とは、免疫抑制剤とは、確認しなければいけないこと、薬剤の特徴などについてなど、様々な観点から勉強していこうと思いました。免疫がかかわる病態は、自分の体をコントロールしながら治療していかなければいけないので、難しいイメージがありますが、しっかりと薬の知識をつけ、適切な薬剤を提供できれば効果的であるため、患者さんにあった薬剤を選択し、副作用の発現や、治療効果などを確認していくことが大切だと思いました。とても興味深いお話でした。自分の苦手分野なので、改めて知識を深めていこうと思いました。ありがとうございました。

 

 免疫について基本的なところの知識がアップデートできたのがよかったです。また世界最古のの免疫についての記録が古代ギリシャの戦争の時の疫病についてのものだったことについても興味深く拝聴させて頂きました。腸内細菌叢についてのお話ではクロストリジウム属の細菌が制御型T細胞を誘導することや、ミヤBMで使われている細菌がIL10マクロファージを誘導していることなど身近な薬での研究も進んでいることが分かりました。潰瘍性大腸炎の治療薬については昨今新薬が色々出てはいるがまずは基本の5ASA製剤についての理解が参加者からの質問もありより深まりました。ディアルガ・アサコールとペンタサの頻便患者への使い分け、飲み忘れたときには5ASA製剤はまとめて飲んでも問題が起こりにくいこと。新しい知見を得られました。

 

 今日の講義は免疫の基礎から深いところまでわかりやすい説明だった。各治療薬の説明、治療薬ごとの作用機序の違い、大腸での作用発現部位の違い等もわかりやすかった。特に最後の患者が飲み忘れた場合の対処方法の違いは、その理由もわかりやすく説明してくださりとても勉強になりました。潰瘍性大腸炎の患者さんには、あまり詳しくは病状を聞きにくい状況にある。今日の先生の講義で、とても分かりやすく治療法や、各治療法の作用機序、薬の選び方等説明していただいたので、ある程度患者さんの治療背景を想像しながら服薬指導にあたろうと思う。

 

 潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患の一つで 近年患者数が増加している。下痢や血便、腹痛など 命にかかわるものではないが、1日に何度もトイレに駆け込むなど生活に支障をきたすこともある。QOLを損なわないためにも治療の継続が重要である。街の薬局のコミニュケーション力でコンプライアンスの維持と 生活習慣の把握、改善につとめたい。今、ヒュミラの効き目がいまいちと言われている患者さんがいらっしゃり、今後どのような治療をするのかと思ってました。 潰瘍性大腸炎の治療法 非常に勉強になりました!ありがとうございました

 

 潰瘍性大腸炎の治療薬を投薬することはほとんどありませんが、お薬手帳を拝見すると潰瘍性大腸炎で治療されていると思われる患者さんがいらっしゃいます。今回は最近の治療指針を教えていただいたので、それを念頭において、なにかしら生活習慣や食生活についてのアドバイスができればいいと思います。潰瘍性大腸炎の患者さんが増えているということは聞いていたので、大変参考になりました。

 

 潰瘍性大腸炎の治療方針について、勉強になった。近年白血球やサイトカインを標的にした薬剤が開発されているが、患者の多くは軽症~中等症なので、従来の5-ASA製剤やステロイドが現在も治療のスタンダードであることが再確認できてよかった。アサコールやペンタサは、飲み忘れたらその分を次回服用時にまとめて飲んでも問題ないと言うことを再確認できたのもよかった。ただしサラゾピリンは、副作用のリスクもあるため分服を推奨すると言うことに関しては認識がなく、勉強になった。また薬物療法のみならず、腸内フローラと言われる腸内環境を整えることも腸疾患のコントロールには大切であることを再認識できた。

 

 あまり潰瘍性大腸炎の患者さんは来られませんが、お薬手帳などで使用している患者さんはいるので、今回とても理解しやすかったので、困っている患者さんから質問があれば、答えれるのではと思いました。また免疫の基本的な話もしてくださり、原点に立ち返って勉強でき、潰瘍性大腸炎治療指針を元に治療を勧めるという事も理解できました。5-ASA製剤は使用されている方が多いので、その使い方、Drの思い・考えを知る機会得ることができました。

 

 潰瘍性大腸炎の患者さんは店舗にも多く来局されます。お薬の内容や重症度は人それぞれですが、先生の薬の使い分けなどを知ることができて、大変勉強になりました。特に5-ASA製剤について大変勉強になりました。他の薬と違い、5-SA製剤は飲み忘れた場合は前回分とまとめて一気に服用してもよいというのは初めて知りました。(大腸の表面に軟膏のように効いていくようなイメージのため。ただし、サラゾスルファピリジンは副作用の観点からダメとのことでした。)患者さんで飲み忘れがあるという方には指導していきたいと思います。

 

 免疫反応の基本的な内容ではあったが良い復習となり今回のメインのテーマ(潰瘍性大腸炎治療)が免疫反応のどの箇所にあたるのかが理解でき、更に潰瘍性大腸炎の疾患の原因には様々な要素があることとメカニズムについてもよくわかったので特に患者さんやそのご家族に接するときにそれらの内容を念頭におきながら対応していきたいです。講演の最初から最後まで順を追って講演頂いたのでより理解が深まりました。潰瘍性大腸炎の現在使われている各製剤の作用機序を講演頂いて頭の中でより整理ができ、更に治療指針も合わせることで理解がいっそう深まりました。今回の講演の内容をしっかりと整理していつでも必要な時に引き出せるようにしたいと思います。

 

 潰瘍性大腸炎に関する事項が理解でき、免疫制御異常や治療薬についてよく分かった。しばらく免疫系の薬とは離れていたのであやふやの部分が多かったが、今回の講演で、それぞれの潰瘍性大腸炎の治療薬の作用機序をおさらいできて良かった。基本5-ASA製剤とステロイドで半数は寛解するとのことで、実際私もその2剤しか処方として扱ったことがないが、難治例で使われる各種免疫調節製剤なども今後のためにしっかり整理しておきたい。血球成分除去療法は今回初めて詳しく知った。治療の一つとして覚えておきたい。メサラジン製剤は飲み忘れた場合は1日分を一度に服用しても大丈夫とのこと。知らなかったことなので今後の服薬指導に活かしたい。

 

 潰瘍性大腸炎における食事、喫煙等の環境因子は指導によって改善できる可能性があり生活習慣病の予防にも繋がるので重要だと思いました。ペンタサとアサコールは活動期における用法用量が異なるので処方鑑査の際に注意しなければならないと思いました。またサラゾピリンは分解物として5-ASAが存在しその効果を期待する反面同じく分解物として得られるスルファピリジンはアレルギー反応を誘発する可能性がある為特に初回投薬後のフォローが重要だと思いました。また5-ASA製剤以外の治療薬としてステロイド、プラグラフ等の免疫抑制薬、生物学的製剤が用いられるがいずれも易感染のリスクがあることをしっかり指導に反映したいです。潰瘍性大腸炎治療薬の副作用は重大なものも多いので指導に気をつけたいです。

 

 免疫について、その流れを詳しく、分かり易くわかりやすく説明してくださり振り返ることができました。腸内フローラは独立した一器官に相当する働きがある、その中でも内分泌システムに作用しストレスを取り除いたり、睡眠の改善につながるというのは知りませんでした。食生活の欧米化の影響はこういった側面からも今の私たちの健康に影響してるのだと改めて感じました。潰瘍性大腸炎、またその治療薬について詳しく知ることができました。

 

 日常業務では遭遇することがない疾患で、むずかしく感じましたが、臨床での薬の処方状況など分かり易く丁寧に説明していただきよく理解できました。最新の専門的知見を学ぶことができて、非常に参考になりました。

 

 潰瘍性大腸炎の原因は遺伝因子が原因の場合もあるが、それだけではなく環境因子の方が割合として多いってことを知りました。腸内細菌・衛生環境・食物環境などが異常な免疫応答へ繋がっており、そこを整えていくことで予防に繋がったり、現在病気治療中の方の症状の改善・再発防止に繋げていけるのだと思いました。腸内細菌が病気に大きく影響しているので、食生活の改善が重要であると考えます。悪玉菌が増えるのを抑え、善玉菌を増やす食生活をしていく必要があるため、肉食中心の食生活は避けることや、タンパク質や食物繊維の摂取を心がけること、腸内細菌を整えるためにできる様々なことをこちらも勉強し、投薬時に患者様にお伝えしていけるようにしていきたいと思いました。潰瘍性大腸炎について考えるきっかけになりました。ありがとうございました。

 

 免疫の基本的なお話から伺えて、潰瘍性大腸炎の治療薬が免疫のどの部分に働くのかが良く分かりました。腸内フローラが、脳に必要な物質を生成したり、ストレスを取り除いたり良質な眠りを促したり、炎症が伝わる経路を制御すると伺って驚きました。

 

 腸内細菌の餌となる食物繊維の欠乏も潰瘍性大腸炎の原因となることが分かった。食事の影響も疾患の原因となることがよく分かり、病院でも栄養指導を受けているか、普段の食事の様子の聞き取りもしていこうと思います。小学生の18.5%が便秘症であるということも知った。これも食事の影響もあるのかもしれません。糖尿病の方の28.6%も便秘で悩んでいる。慢性便秘になると2人に1人は便意も消失するとの事で、悪循環になる。便秘薬により排便が進むと便意も回復する場合が多い。潰瘍性大腸炎も、便秘薬も新薬もでており、それぞれの特徴や副作用を理解しておこうと思います。

 

 腸内細菌叢の役割や腸内環境の変化がどのような疾患と関連しているのかを学習したことで、炎症性腸疾患の治療では薬物だけでなく患者様の生活環境・生活リズムの改善やケアも必要であると感じました。炎症性腸疾患の薬物治療に関して具体的な治療方法や寛解率などのデータを知ることができ、先生がどのような考えで薬を処方しているのかを考える材料になると思いました。処方箋を見たときにその患者様がどの治療段階なのかを考えられるよう、この疾患の病態や治療法についてもう少し深掘りしたいと思います。知識が薄くなっていた免疫の基本から、潰瘍性大腸炎の病態・治療について大変分かりやく、復習する良い機会となりました。

 

 講演を拝聴するまでは、潰瘍性大腸炎には遺伝的要因が強いと思っていましたが環境的な要因が強く関わって病態を形成しているということがよくわかりました。薬剤の使用方法や使用するタイミングの指導だけでなく、ライフスタイルについての聞き取りもモニタリングすることが重要であると認識を改める必要があると感じました。また、免疫応答の基礎的な概要や潰瘍性大腸炎によって誘発された感染症や疾患についても学ぶことができました。特に免疫寛容などに関しては私の学生時代よりも非常に詳細な内容が明らかになってきており、知識のアップデートが必要な分野であると考えていたのでそれらを補う機会にもなったので非常に有意義でした。

 

 腸内フローラと言葉は聞きますが、改めてどういった物でどのような働きをしているのかが分かりました。腸内細菌叢の変化と関連が指摘されている疾患として、消化管以外の疾患は思ってもみない疾患があり驚きでしたが、話のネタになりそうです。また、潰瘍性大腸炎の病気の概要が分かりました。日本の患者は、数が昔にくらべてかなりの増加になっていて、身近な病気として認識していかないといけないと分かりました。原因の一つとしての環境因子があります。その中の食物環境では、日本人の食生活の欧米化がかなりの原因になっているのではと思いました。潰瘍性大腸炎の内科的治療はどんな治療法があるのかなど一切分かっていなかったので大変勉強になりました。 

  

 

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つづいては、藤田一平氏(EAファーマ株式会社)による慢性便秘症の病態と治療方針についてのご講義です。

 

食べ物は数時間で大腸を移動し、半日から一日かけて排便に至ります。慢性便秘症は「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」。
便は健康のバロメーター。ところが18.5%もの小学生が便秘に悩んでいると言います。
便秘を患うと循環器疾患での死亡リスクが高いことが知られており、排便回数が4日に一回の人では1日一回以上の人の1.4倍も死亡率が高いそうです。
身近な疾患「便秘症」について、生活面から薬物治療の注意点まで分かりやすく説明いただきました。

 

 

【受講者のこえ】

■ 便秘で悩まれている方は赤ちゃんから老人まで沢山いらっしゃいます。今の業務の中で子供さんへの投薬はあまリ無いのですが、高齢者の方への投薬は多く、ご自分で調節されているようですが上手くコントロール出来ていない方も少なくないように思います。ご家族の方が薬の管理をされているという方もいらっしゃいますので、下剤の種類や特徴を再度確認し、患者さんの生活習慣などの聞き取りもした上でその方に合った生活習慣の改善や、食事のアドバイス、下剤の使い分け等が出来るようにしたいと思います。ご家族の方が薬を管理されていて1包化の中に下剤を入れてしまっている方もいらっしゃいますので、投薬時に便通の確認をし忘れないようにしたいと思います。普段から調剤しなれている薬に対しての再確認になりました。トイレの仕方等知らないこともありましたのでとても参考になりました。

  

■ 服薬指導で出会うことが多い便秘について基本から整理できました。まず正常な排便メカニズムについて体部の名前を使った説明は取り入れていきたいです。次に便の作られる時間についても知識として入れていきたいです。また便秘の分類において、それぞれの分類における検査方法や病態分類、原因となる病態・疾患のつながりを取り入れていきたいです。さらに便秘の診断基準については患者さんの便秘状態の把握につなげていきたいです。そして便意の消失により便秘の悪循環につながることも説明に取り入れていきたいです。また便秘がもたらす疾患については、便秘状態の注意喚起につなげていきたいです。そしていきむことと血圧上昇のメカニズムについて把握できたので、つなげて指導していきたいです。さらに生活習慣・排便習慣の改善指導も患者さんに対する服薬指導につなげていきたいです。最後に治療方法の分類からそれぞれの特色を把握して服薬指導に生かしていきたいです。便秘について基礎から深く知ることができて良かったです。

 

■ 慢性便秘症の病態と具体的な治療薬についてより理解が深まりました。慢性便秘症の定義や病態だけでなく、実際に糞塊が形成されて体外に排泄されるまでのサイクルなどの生理学的なトピックや便秘の客観的な評価方法について学ぶことができました。便秘は主観的な評価が主立っている印象でしたが、そうではないことに気づかされました。また、糖尿病や慢性腎不全などの基礎疾患によって慢性的な便秘が引き起こされることについては、日常的な調剤業務で処方箋を見てなんとなく思っていたことと発症機序が具体的に結びついて理解が深まりました。昨今は慢性便秘症治療薬の種類が大幅に増えている印象ですが、これらについても理解を深めることができました。また、使い分けのポイントの理解にもつながった内容だと思いました。

 

■ 慢性便秘症の患者さんに対して今までは薬の説明しかしてこなかったが。今後は薬物指導だけでなく食事や生活指導も投薬の際にやっていきたいと改めて思った。また、下剤の種類や疾患に対する使い分けは知っておかなければならないと強く思った。さらに、新しい薬例えばモビコールHDなどはまだ扱ったことが無いのでこの機会に少しでも勉強できてよかったと思う。投薬の際にこの経験を活かせて行けたらと考える。岡大や市民病院などは検査値も確認できるので検査値も考慮して下剤の選択についてDr にトレーシングレポートなどで提案をしていけたらと思う。

 

 ■ 閉経後や糖尿病、透析の必要な方などに便秘傾向があることが分かった。放置すると便意の消失もあり、悪循環となるため治療の重要性も理解した。機能性便秘と過敏性腸症候群の鑑別は重要である。腸管内圧の上昇や排便時の怒責、器質的な問題により、2時的に起こり得る疾患に注意する。便秘により循環器疾患で死亡するリスクが高くなるため、排便コントロールについての聞き取り、便秘薬の効果がなければ他薬などへの切替の提案が行えるようにしたいと思います。便秘の鑑別についても改めて確認できて良かったです。

  

 ■ 穏やかな排便は満足度が大きく、QOLの向上に大切な要素。薬局でも便秘の相談を受けることが一番多いと感じており、投薬時にこちらから排便の話題を振ることも多い。今回の講演では便秘改善の生活習慣(水分補給、朝食、排便ポジション)と薬物治療についておさらいできて良かった。一次胆汁酸は排便ホルモンと呼ばれるほど排便に大切なことも改めて理解した。浸透圧下剤に比べてIBAT阻害剤や上皮機能変容薬はまだ処方数が少ない印象だが、今後多くなることが予想される。この2剤により刺激性下剤の使用が少なくなればいいと期待している。各製剤の特性をしっかり理解してこれからの服薬指導に役立てたい。

 

■ 便秘は年齢問わず発症しやすい身近な疾患。慢性便秘は循環器、脳血管疾患、大腸癌、の発症率を上昇させる。腸内フローラのバランスも悪化するため、免疫異常にも関与し、さらに生存率も低下させる。大腸の水分吸収過程を学んだため、蠕動運動によりどれほど腸内に滞留しているのかをイメージできるようになった。投薬中の会話には上記の内容は難しいですが、薬剤以外での改善方法を教えていただいたので、患者さんとの会話に水分と有酸素運動(散歩、ジョギング)をおすすめします。センノシドの耐性は指導していたが、便秘が継続すると便意が消失するため、早期からマグミットなどで対処していくことを進めていこうかと思いました。

 

■ 患者さんによって便秘の捉え方が異なりますが実際には要件となる定義がある為しっかり把握しておこうと思います。一概に便秘といってもその原因と腹部の状態は人によって異なるため、バランスの良い食事や適度なウォーキング等の生活面対策をしっかり行った上で、治療薬選びが重要だと感じました。多剤を併用している患者さんも少なく無くその中でもマグミット、センノシドはよく調整することがあるので定期的に排便の状態を確認しようと思います。便秘患者には妊婦や小児の方もおられるので使用できる薬剤(禁忌に気をつける)や量に注意して投薬に務めます。

 

■ 系統的に順を追って更にガイドラインに則した内容であったのでとても参考となり理解が深まった。 慢性便秘が続くことが合併症を引き起こすなどの悪影響があることを該当する患者さんに接するときに説明し、更に治療の必要性を指導して患者さんのアドヒアランスにつなげていきたいです。便秘の悪循環のどれかを断ち切ることで便秘によるQOLの低下や便秘による合併症を未然に防げるように特に患者さんと接するときに対応していきたいです。慢性便秘に対して生活習慣や排便習慣が原因の場合には散歩やジョギングをして水分をよくとることや排便時に35度の前傾姿勢など今回講演があった内容を指導いきたいです。更に排便回数を増やす事を目標にしてもらい、便の形状ができるだけブリストル便形状スケールの4型に近づけるような手助けとなれるよう適切な指導を行っていきたいです。

 

■ 便秘はなかなか恥ずかしくて相談がしづらかったり、あまり大事な事と捉えていない患者さんも多いイメージがあります。今日の講義を聞き、便秘がもたらす疾患というものを初めて知りました。便秘が循環器系疾患や脳血管疾患に繋がると思っていなかったので驚きました。
排便が4日の1回以外の患者では、1日1回の患者に比べて循環器系疾患になる人が1.4倍、脳血管疾患になる人が1.9倍になると聞きました。命にかかわるような重大な疾患に繋がるので、薬でしっかりとコントロールできるよう指導時に気を付けたいと思います。
アミティーザは妊婦に禁忌で、若い女性に副作用が出やすいと聞き、処方が出た場合はしっかり対処したいと思います。

 

■ 便秘症は高齢者を始め多くの人が患ってる疾患だと思います。薬物治療の講義の前に便秘の基本の定義から復習をしてもらい、それのおかげもあり分かりやすく講義を理解することができました。これまで、便秘治療では、便性状の改善や、排便回数・量に目を向けることが多かったが、今回の講話で、便意消失の改善が、患者の治療満足度に影響を与えると知ることができ、勉強になりました。


 

富永薬局のサンデーセミナー(通称『サンゼミ』)は、薬剤師であればどなたでも無料で受講できるオープンセミナーです。毎月第3日曜日に、Zoomによるオンライン配信で開講。受講薬剤師には「薬剤師あゆみの会」から、認定薬剤師の研修単位が付与されます。

 

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