第399回サンデーセミナー(2022年10月)【オンライン】薬剤師のための感染症学

第399回 サンデーセミナー

【日時】 2022年 10月 23(日) 9:50~12:30

【会場】 zoom会議室

【講義プログラム】

 ■『基礎薬学から見た感染症治療』
  塩田 澄子 先生
  (就実大学薬学部 教授 薬学部長)

 ■『小児から高齢者まで豊富な適応を持つ抗血栓療法』
  山本 展子 氏
  (バイエル薬品株式会社)

【研修認定単位】 1.5単位

   

 

第一部は就実大学 塩田教授の『基礎薬学から見た感染症治療』。
感染症の基礎知識おさらいからガイドラインによる治療治療のポイント、抗生物質の適正服用、耐性菌対策まで幅広くお話しいただきました。たくさんの資料とスライド、そして聞き取りやすいはっきりした語り口で、とてもわかりやすいご講義でした。

 

いろいろなウイルスや細菌による感染症がありますが、最近いちばん身近に感じるのは新型コロナ感染症COVID−19ですね。
新型コロナウイルスによる死亡率は、2020年1.48%、2021年1.0%、2022年0.14%と、現在は季節性インフルエンザ同等に落ち着いてきているようです。
日本を含む東アジアやアフリカの人々は、欧米などに比べて重症化率が低い可能性が示唆されています。最新の知見として紹介された「COVID−19への感染率とネアンデルタール人の遺伝子との関係」はとても興味深いものでした。

 

感染に必要な3要素「感染源」「感受性のある宿主」「感染経路」、そのうちどれか一つ欠けても感染症は成立しません。なかでも「感染経路」の遮断は感染拡大防止のために最重要。
COVID-19は、「飛沫感染+エアロゾル感染」と「接触感染」が主な感染経路とみられていますから、マスク着用とこまめな手洗いは「感染経路」遮断に有効と考えられます。
マスクなしで通常の会話を5分することで約3000個のウイルスを浴びるとされています。
ウィズコロナの時代、屋外ではマスク不要の指針が出ていますが、他人との距離が保てないときや屋内ではしっかりマスク予防を心掛けたいものです。

 

 

【受講者のこえ】

 新型コロナウイルスの猛威が収まらない中、わかりやすく丁寧な内容で現状を再確認することができました。インフルエンザとの同時流行が予想される今年の冬も、予防接種など適切に患者さんにアドバイスしていきたいと思います。また、抗菌薬の適正使用に対しては薬剤耐性菌の観点からも非常に重要だと思います。岡大病院などではきちんと管理されているように思いますが、まだまだ不適切な使用がされているのが実情かなと思います。抗菌薬が処方されたときに、しっかり飲み切ることや、自己判断で服用しないなど、患者さんの理解を深めていくことで抗菌薬の適正使用に貢献できるのではないかと思います。

 今回の講義を聞き、抗生物質の適正使用について意識しなければいけないと思いました。患者さんの中には、風邪を引いたら抗生物質が効くと思っている方がまだたくさんいらっしゃるという事が分かりました。途中で服用を止めないようにという指導はしていますが、過去に使用した家にある薬を飲んでみたり、自分ではない家族に処方された抗生物質を飲んでみたりと適正使用されていないケースがたくさんあることを知りました。耐性菌の出現やアレルギーなど気をつけなければいけないことがたくさんあるため、むやみに抗生物質を服用することの危険さを改めて伝えていかなければいけないと思いました。投薬時には、本人以外は使用しないよう指導していきます。

 感染症、抗生剤等についてかなり詳しく講義をしていただけてとても勉強になりました。耳鼻科の処方を扱っている薬局で勤務していますが、抗生剤の処方頻度は高いように思います。先生のお考えでの処方ですから、処方通りの調剤を行い、投薬をするという状態です。今回の講義内容をもう一度確認し理解した上で、患者様とのコミュニケーションの中で患者様の状態を確認し、その時処方された抗生剤が適切なのかを見極めることが出来るように慣れればいいと思います。そして患者様が薬剤耐性にならないようにコンプライアンスの向上に努めたいと思います。

 この数年コロナの影響で受診控えがあったり、SNSの普及でコロナワクチン拒否など薬局業務が厳しい時代となっています。行動歴やペットの飼育歴を投薬の時にもうかがい感染症のおきている場所や症状を薬剤師としても考察していきたい。それを踏まえ抗生剤を処方された患者さんには決められた量と回数を決められた日数で飲みきりましょう。症状が軽快しても勝手止めると治癒が長引くことがあるなど投薬時に伝えたい。また、コロナワクチン3回目や4回目をどうしようと悩んでおられる患者さんや毎年インフルエンザワクチンを打ってもどうせ罹患するから打たないとおっしゃられる方に、病原体が体に侵入しても、症状が現れる場合と現れない場合とがあります。感染症は病原体の感染力と体の抵抗力とのバランスで決まります。必要なワクチンを接種し、予防できる感染症を防ぎましょうと声をかけたい。

 薬剤耐性を防ぐために適切な薬剤を選択していかなければならないというテーマは、学生時代からよく聞いてきた。今回の講義は実際の現場で参考になる話が多かったので、患者さんの症状などを聞き取って調剤投薬していきたいと思った。他にも資料の中に「とっておいた抗菌薬・抗生物質を自分で飲んだ事がある」という回答をした人が25%ほどいるという話があった。その内服は患者判断の選択になってしまう観点でもよくないし、処方された際に抗生剤なのに処方されたものを飲みきっていないという事なので、投薬での注意喚起が必要だなと思った。

 感染症の検査値で、白血球数やCRP値などはよく活用していたが、PCT(プロカルシトニン)値が細菌感染症、細菌性敗血症の診断に用いられることは知らなかった。今後血液検査値を確認する機会があれば、PCTが載っているかもチェックしたい。また、昨今問題となっているAMR(薬剤耐性)菌についても改めて考えさせられた。現場では、ウイルス性の疾患ながら、2次感染を考慮して抗菌薬が処方されたり、原因の特定ができていない中でとりあえず抗菌薬が処方されるというケースが散見される。医師の処方を変える(医師を教育する)のは困難なため、薬局薬剤師としてせめて患者教育には努めたいと思った。

 ウイルスや細菌による感染症なのか、薬剤熱なのか、それとも他の病気によるものなのか、発熱の判断はなかなか難しいものだと思います。薬剤熱の特徴や病気によって変化する特別な検査値の変化などをしっかり把握していくことが重要だと感じました。すぐにすべてをマスターすることは難しいですが、少しずつ学び患者様から検査値の聞き取りしながら病気についての理解などを深めていこうと考えます。発熱について考えるきっかけになりました。ありがとうございました。

 風疹や麻疹の時に白血球が減ることは初めて知った。発熱の原因が感染症の次に薬剤熱であることも初めて知りました。効果があると思って使用した薬が原因で熱が出ることもあるので、発熱の程度に比較して元気であったり、徐脈の患者さんで発熱の原因が不明の時には使用している薬が原因である可能性もあるので注意が必要だと思った。コロナ感染の影響でマスクの着用が当たり前のようになったことで、インフルエンザなどの感染率が近年低下していることからマスクの着用は感染予防の効果が高いことがわかる。マスクの着用の緩和などがニュースで上がっているが、これから空気が乾燥し、風邪をひきやすい時期になるので、これからもマスクや手指消毒などを継続し感染予防につとめたいと思った。

 もう一度、主だった感染症と原因菌・ウイルス、対応する抗生物質と投与量の確認をする必要があると思いました。表などにまとめて簡単に確認できる状態にしておくと、薬剤選択や投与量に関して患者と話をしながらでも簡単に確認できると思います。調剤薬局ではなかなかどの菌だったのかという検査結果を見せていただくことは少なく、患者の話がすべてになることが多いので、「調べる」という作業の手間は事前にできるだけ減らしておく必要があるでしょう。インフルエンザとCOVID-19の同時流行は非常に警戒するべき事態だと感じました。COVID-19治療薬は使用する人を選ぶものですが、抗インフルエンザ薬はすでに様々な薬剤がありますので、近隣の内科とも相談してよく使用するであろう薬剤の常備を開始してもいいのかもしれません。

 感染症診療で処方箋が出されれば薬剤師は処方薬の適正を評価しなければならない。患者さんの基礎疾患、薬歴を把握し、薬剤の副作用を考慮し、必要があれば処方医に疑義し、投薬する。そのためには患者さんとのコミュニケーション、信頼関係が必要である。病院で話しているから薬局で話す必要はないといわれることもあるが、そうならないためには信頼関係を構築することと、エビデンスに基づいた知識が必要だと思われます。抗菌剤を処方される患者さんは新患の方が多いので、信頼関係の構築は難しいですが、併用薬、副作用歴は必ず確認したいと思います。

 学生時代に習ったことを改めて復習できて良かったです。感染を防ぐには感染経路を防ぐのが一番防ぎやすい手法ではあると思いますが、手洗い、アルコール消毒、マスク着用がどれだけ大事か今回の講義で改めて思いました。中でもマスクの材質によってウイルスの侵入率、飛沫が防げる割合がこんなにも違いがあるのかと驚かされました。今後患者さんに聞かれることがあれば、今回学んだ事を情報提供できるようにしたいです。また今回急性起動感染症について、急性咽頭炎、急性気管支炎、鼻副鼻腔炎という分類に分かれていることや鼻、喉、咳症状が同程度で初めて感冒という病態になることを初めて知りました。急性気道感染症について自分なりにもう少し掘り下げた知識を身に着け、よく使われる抗生剤についても勉強して実践に活かしていきたいです。身近で、実践に役立つことが多かったのでとても為になりました。

 内容は充実していながらも必要な知識がコンパクトにまとまっていて、無駄がなくてわかりやすかった。感染症か否か鑑別診断が必要。発熱の原因の1つに薬剤熱というものがある。投与開始後7~10日目に発症することが多いとされる。高熱でありながら、比較的元気そうに見えることがある。新たに服用を開始した薬がある際には要注意。また、抗菌薬意識調査レポート2022から、抗菌薬の正しい理解・使用をしていない方が多数派であることがわかった。服薬指導に際し、正しい理解や適正使用を促す必要がある。

 最新の情報やデータ、基本的な事、感染症治療のポイントなどについてお話し頂けた為 常に新しい情報に気をつけながら、感染症に対する治療の一部を担っていきたいと思います。

 服薬指導で使えると思った点は 一つ目は一般的な感染は5分の会話で3000個のウイルスを摂取し、1万個のウイルスの摂取で感染となるため、15分以上の会話に注意が必要であるという話です。コロナに関する患者とのコミュニケーションに使えると感じた。二つ目はセフェム系、ペニシリン系、利尿薬などで薬剤熱の副作用があること。薬剤熱の臨床的な特徴と身体特徴の講義もあったため、患者に副作用説明がしやすい。時々、どんな症状ですかと具体的な説明を求められることもあるので、患者にわかりやすい鑑別が必要だった。紅斑、徐脈傾向、熱と伝えます。三つ目は急性の副鼻腔炎、気管支炎、咽頭炎、感冒に対する抗菌薬の使用についてです。患者さんの中には薬出さないの?や抗菌薬はないのか?といった質問をされることがたまにあるので、薬剤耐性のリスクと必要性の有無について説明することの重要性を再認識しました。

 高度接触面は1日1回程度の消毒でいいというのは資料からも理解できた。手指消毒はしっかりということは自宅でも職場でも行っていることだが、やはりもう一度気を引き締めていかないといけないと感じた。炎症の指標や感染症に関わる項目(バイタルサイン・白血球数、赤血球沈降速度)、敗血症診断(プロカルシトニン・プレセプシン)、熱の考え方など服薬指導の際にも検査値を見せてもらうことがあるので、大変勉強になった。抗菌薬意識調査レポートは興味深いもので、抗菌薬の適正使用はやはり耐性菌の事を考えても大事だと思った。

 医師が抗菌薬を使う際のガイドラインが存在し「抗菌薬適正使用の手引き」や「感染症治療ガイドライン」を基に治療方針を立てていることが分かった。近医での処方箋についても当てはまるものがある。例えばある日を境にセフジトレンピボキシルの処方が止まり、アモキシシリン一辺倒になったのもその一環だと得心がいった。情報源として存在するものが分かって収穫であった。

 病原体の感染経路によって対策すべき内容が異なるので衛生対策として流行している菌、ウイルスをしっかり把握してそれに適した対応を薬局内及び勤務外でも行っていきたいです。昨今のCOVID-19の流行初期の時に咳や熱があるだけで周りから敬遠される等のケースが多かったですが一つ二つ程度の症状だけでは疑われる疾患は数多く存在する為医療従事者のみならずそれ以外の方にも正しい知識を普及する重要性を感じました。また最近では風邪で抗生物質が処方されるケースは少ないですが、濫用によって耐性菌の増加を招いてしまうので鑑査で精査すると共に投薬において自己判断で服用を中止しないように指導をすることの重要性を改めて感じました。

 外来業務において抗生剤の調剤を日常的に行うことがありますが、適切に使用できているかどうか常に考えながら調剤業務にあたる必要性をASPの考え方に基づいて行えているかどうかを考える機会としても非常に有意義だったと思います。

 動物を介した感染症に関しては、なんとなくしか知らず、表にまとめたものは初めて見ました。改めていろいろあるのだなと参考になりました。気に留めておこうと思います。抗生剤を扱うことは多々ありますが、普段は下痢や発疹、アナフィラキシーとかのほうに気を取られて薬剤熱とか考えたことなかったので、今度からは投薬後のフォロー気を付けようと思います。小児科、眼科、耳鼻科…何年か前から抗生剤の使用が以前に比べて少なくなったなと感じていました。何かガイドラインでも出たのかな?学会発表でも聞いたかな?と思っていましたが、削除目標があったのですね。体感的には目標に近づいているのではと感じます。耳鼻科など拗らせてくると抗生剤使ってますが。抗菌剤はほとんど見ず、アモキシシリンが主流になったなと思います。東アジア人は遺伝的にコロナにかかりにくい、重症化しにくいと聞いたことはありますが、ネアンデルタール人の遺伝的なことは初めて聞いて面白かったです。

 抗菌薬、抗生物質の不適切使用により本当に必要なときに効かなくなってしまうAMR対策の必要性が問われています。日本では2種類の薬剤耐性菌によって多くの死者がでており、深刻な影響が懸念されています。外来投薬での抗菌薬、抗生物質使用が9割以上を占めており、外来診療における抗菌薬、抗生物質の適正使用を推進することが不可欠となっています。処方する医師の意向がもちろん最優先となりますが、薬剤師として適正使用の必要性は常に考えながら業務を行なっていきたいと思います。今後新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行が予想されています。オーストラリアではマスクをはずして感染が広がってしまったこともあり今後も感染対策を続けることは大事です。抗菌薬使用ガイドラインの変更点も注意したいと思います。

 最近の染色後の形を見ることができたり、国民のインターネット調査による結果等、普段見ることが出来ない情報を学ぶことができ、とても勉強になりました。抗菌薬を使用する方にはしっかりと指導することを改めて徹底しようと感じました。とてもわかりやすいスライドと、ご説明ありがとうございました。ウイルスの分類から、今後のCOVID19の動向、気をつけることなどよく分かりました。

 感染症治療においては抗菌薬の薬剤耐性が最大の問題ととなると思われる。以前にくらべると漫然と処方される抗菌薬投与は減ってきてはいるが、まだ小児の薬では抗菌薬がでていないと母親等から抗生剤は必要ではないのかと聞かれることも多い。
また処方された抗生剤の服用方法もまだ自己判断で途中やめしているケースに当たることも多い。薬剤耐性を防ぐために私たちができることは、抗菌剤の適切な使用方法を伝えることであるので、投薬時には抗菌剤の必要性、処方されたものはすべて飲み切る等の正しい服用方法をその都度伝えていく必要があると思う。

 COVID-19の感染状況を踏まえたうえで適切な感染対策を自分はもちろんの事、患者さん、地域住民にも啓蒙していきたい。また感染症診療の中で処方薬の適正性を評価して薬剤の有効性や副作用の出現をフォローしていきたい。日本で抗菌薬が使用されている疾患は70%が気道感染症、10%が下痢症。感冒では抗菌薬投与を行わない事を推奨。急性下痢症の治療方針は、水分摂取を励行したうえで、基本的には対症療法を推奨。ガイドラインを理解したうえで適切な使用方法を推奨していきたい。感染症は身近な疾患。ガイドラインを理解することは適正使用には不可欠だと思いました。

 感染に対する基礎知識から感染症診療まで順を追って説明があり、大変興味深く参加することが出来ました。患者様毎に様々な症状を抱えているので、必要なコミュニケーションをしっかり取り対応できればと思います。

 感染経路の種類や特徴、感染対策について理解出来た。また風邪症状を訴えて受診した患者において本当に抗生剤の投与が必要になる人は少ないとい点についても再度確認でき、理解できた。今回の「基礎薬学から見た感染症治療」の研修を通して、風邪症状を訴えて受診した患者において抗生剤が必要な患者さんは本当に限られているということが印象的だった。また稀に「前もらった薬を朝飲んできました」と言われる患者さんに会うことがあるが、そういった一般国民の抗生物質に関する知識の不十分さを数値として知ることができた。そのため抗生剤が処方されている患者さんについては処方されている意図を患者さんとの会話からしっかり読み取り、症状が治まっても抗生剤を飲みきることの大切さや不適切な使用は避けるよう患者さんに伝えていきたいと思う。 

  

 

 

第2部では、非弁膜症性心房細動や静脈血栓塞栓症の治療に用いられる「直接経口抗凝固薬(DOAC)」について、バイエル薬品株式会社の山本氏にご講演いただきました。
DOACの特徴やとワーファリンとの違い、静脈血栓塞栓症心房細動について理解を深めることができました。
心原性脳塞栓症は重い障害が残りやすく、患者の約6割において介助が必要になったり寝たきりになったり、死亡に至ることがあるそうです。自力では生きていけない状態に陥るため、心原性脳塞栓症の発症を抑制することは、医療・介護リソースを温存していくためにも意義があります。
DOACのアドヒアランスが不良であると、脳梗塞の発症率が上昇するというデータを紹介いただき、患者の服薬状況や残薬について、薬剤師の介入が重要であることを再認識できました。

 

 

【受講者のこえ】

■ 日本は超高齢化社会で、いろいろな病気を持っている人が増えてきていると思う。心房細動も加齢とともに有病率が増加し、それに伴い脳梗塞のリスクが高まっている。その治療薬の服用が重要なポイントになってくると思う。飲み忘れによる発症リスクもあるためコンプライアンスの遵守が非常に大切である。投薬時に確認すると、やはり高齢になってくると残薬が多く、きちんと服用できていない人も多い。今までもきちんと薬が飲めるように個々にいろいろ対応してきてはいるが、今まで以上にコンプライアンスの向上に積極的に取り組んでいきたいと考えます。血栓予防とコンプライアンスの関係について考えるきっかけになりました。ありがとうございました。

 

■ 抗凝固療法に関わる薬剤のそれぞれの特徴や適応となる疾患(例.心原性脳塞栓症、心房細動など)の予後や特に注意が必要な疾患(例.CKD)についての詳細な疫学的な知見について深く理解する機会が得られたことはこれから抗凝固療法を導入していく患者様への指導に役立つと感じました。また、小児科領域における抗凝固療法については不勉強なところが多かったため知識のアップデートができました。

 

■ 薬の服用を開始する目安はよく目にするが、薬の止め時はいつなのか悩むことがある。今回、VTEにおける抗凝固療法の継続期間を示していただき、それがすなわち薬の止め時の目安にもなるので、知りたいことを教えていただけた。また、SAPTやDAPTに関しても同様に、継続・中止の目安を示していただいたことで、自信を持って日々の投薬に臨める。

 

■ 高齢の患者さんと接する機会の多い職場のため、飲み忘れや勘違いで残薬を多く持参されます。抗血栓薬は定期薬として飲まれている患者さんが多いので改めて復習できました。治療開始初期、維持療法期や飲み忘れた場合、起こりうる小さな症状や重大な出血について。気になる出血があった場合の対応や不正出血を避けるための注意点を再確認することができました。また、なぜ抗凝固薬を飲まないといけないのか、飲み忘れないことが生活の質を大きく落とす脳梗塞を予防する秘訣であることなど本日学んだことを明日からの投薬時に生かして生きたいと思います。

 

■ 心房細動の患者では、腎機能低下に伴い重大な出血や血栓塞栓症のリスクは増加する。従来のワルファリンと比較して直接経口抗凝固薬(DOAC)は食事の影響がほとんどない、薬の効き目を調整するための採決が不要、頭蓋内出血を起こしにくい、他薬との相互作用が少ない、術前のヘパリンへの置換が短期間ですむなどの利点がある。薬局でも新たに服用する方はDOACが使われる場合がほとんどであり、服用患者は非常に多いので、今回の内容はとても役立った。血栓塞栓症のリスクを減らすため、継続服用の重要性を説明し患者さんの飲み忘れを減らせるよう服薬指導に生かしていこうと思う。

 

■ 抗血栓薬は飲み忘れで脳梗塞の発現率が上昇したりするので飲み忘れない事がかなり重要であると分かりました。患者さんの中には薬の内容を理解されずに服用されている方も多くいらっしゃるので、必ず飲み忘れないよう再度指導していきたいと思いました。15秒間3本の指で測定する脈の測定方法などを覚えておくことで、普段の自分の正常な脈を知っておくことができるので、心房細動などに気づくことができると思うのでとても大事だと思いました。

 

■ イグザレルトは普段の処方でもよく見られる薬剤で、10㎎、15㎎の処方ばかりでした。規格が沢山あり、適応症も規格によってそれぞれである事を知り勉強になりました。剤形も色々あるので、患者様の状態に合わせて剤形を選択することも可能ですから、患者様の訴えがあればDrに剤形の変更を提案したいと思います。他剤からイグザレルトへの切り替えやイグザレルトから他剤への切り替えの方法、飲み忘れたときの対応、手術や侵襲的処置を行う場合の対応、出血時の対応、相互作用等の知識を持ち処方が適切であるのかがわかるようにしておこうと思います。

 

■ 抗凝固薬は薬局業務の際によく触っているし血栓症のある高齢患者によく渡していたが、今回の講義のテーマの中には小児への投与の話もあった。小児の血栓塞栓症は乳児期にもっとも多いというのは初めて知ったし、イグザレルトの剤形に水剤があることも初めて知った。門前の総合病院には小児科もあるし、近くの大きい病院の小児科の処方箋も来る事があるので、使用量など覚えていきたいと思った。また抗凝固薬は重要な薬の1つであり、コンプライアンスの低下は今後の再発や死亡リスクに直結してしまう。イグザレルトは1日1回の服用でいいため、飲み忘れたさいはすぐ服用するよう指導していきたい。

 

■ 心原性脳塞栓症の基本を分かりやすく理解できた。CLcrの値によって使用量に注意することと飲み忘れに気づいた時の飲み方、ワルファリンからイグザレルトへの切り替え時のPT-INR等血液凝固脳検査、イグザレルトからワルファリンへの切り替え時の注意点、イグザレルトから他のDOACへの切り替え時の基本について理解できた。臨床の場において投薬時に十分注意していきたい。

 

■ 10年ほど前になるが小児治療の最前線でのNICUでの見学もさせてもらったことがある。話では成人に使う薬を適応外でも多く小児に使うため適応があると本当に助かるという話は聞いていた。きちんと小児でも治療データが集積されて治療に薬が使えるということは素晴らしいことだと思うし、今後もこのような薬が増えてくればと思う。


 

富永薬局のサンデーセミナー(通称『サンゼミ』)は、薬剤師であればどなたでも無料で受講できるオープンセミナーです。毎月第3日曜日に、Zoomによるオンライン配信で開講。受講薬剤師には「薬剤師あゆみの会」から、認定薬剤師の研修単位が付与されます。

 

サンゼミ参加申込受付中

かかりつけ薬剤師を目指す地域の薬剤師さん

仕事を離れていても学びを続けたい育休中の薬剤師さん

薬剤師生涯教育を先行体験したい薬学生さんのご参加も歓迎です。

 

 

第399回サンデーセミナー(2022年10月)【オンライン】薬剤師のための感染症学メニュー