第400回サンデーセミナー(2022年11月)【オンライン】地域連携「岡山ろうさい病院」シリーズ④⑤

第400回 サンデーセミナー

【日時】 2022年 11月 20(日) 9:50~14:00

【会場】 zoom会議室

【講義プログラム】

 ■『外来がん治療で気をつけたいポイント』
  髙取 俊和 先生
  (岡山ろうさい病院 薬剤部 医療薬学会がん専門薬剤師)

 ■『岡山労災病院での疑義照会の現状と今後取り組むべき課題』
  竹田 克明 先生
  (岡山ろうさい病院 薬剤部 薬剤部長)

【研修認定単位】 2単位

   

サンゼミがお届けする地域医療連携シリーズ。今回は岡山ろうさい病院 薬剤部の髙取先生と竹田先生から、実務的な視点で薬薬連携についてご講演いただきました。

最初の講義は、がん専門薬剤師でもある髙取 俊和先生です。

 

 

医学の進歩により、入院という選択肢しかなかった抗がん剤治療を、外来通院で受けられる時代になりました。しかし、抗がん剤は治療域が狭く安全域と副作用域が近いため、治療薬の組み合わせや患者自身の身体状態によりさまざまな副作用を発現しやすいのが特徴です。
2006年にがん対策基本法が定められ、2020年診療報酬改定で特定薬剤管理指導加算2が設定されて、がん医療において薬剤師の職能を生かせるようになりました。
がん医療で薬剤師に求められているものは、患者さんがどの医療機関・保険薬局でも同じ治療を受けられ、継続したフォローアップができること。患者さんのQOLを低下させず有効ながん治療を継続できるよう、根拠を持った措置・介入を行うことが重要です。
抗がん剤の副作用と発現時期、抗がん剤と相互作用のある薬剤、副作用対策(支持療法)について等、外来がん治療で気を付けたいポイントと、がん治療を受けている患者さんに薬局薬剤師はどう関与していくべきなのか、髙取先生が簡潔でわかりやすい資料とともに丁寧にお話しくださいました。
「薬剤師がじっくり話を聞いてくれる、それだけで救われる患者さんがいる」
この言葉はとても印象的でした。髙取先生、ありがとうございました。

 

 

 

 

【受講者のこえ】

  抗がん剤による主な副作用について復習できた。抗がん剤による副作用で患者自身が最もつらいものは、疲れや倦怠感、不安、精神的な辛さなど、客観的に評価が難しいものが上位を占め、その次に味覚異常や吐き気などがある。薬剤師としてそういったことに対して、薬学的介入や精神的に支えることが患者さんの副作用のつらさを軽減することにつながる。

  抗がん剤薬開始後の有害な症状は抗がん剤が原因と考えがちだが、すべて抗がん剤のせいではない。生活環境の変化、食事の影響、腫瘍に随伴する症状の場合をまず考え、関係なさそうなら、副作用の可能性を考慮する。安易に抗がん剤の副作用に結び付けると、有益な治療の機会が失われる可能性がある。副作用に対する患者さんの声は実際の症状だけではなく不安や精神的なものも意外と多くあり薬学的介入や、精神的な支えとなることで患者さんのつらさを軽減できることがあるかもしれない。そのために、抗がん剤の副作用を正確に把握しておくことが重要で、対策などもアドバイスできるように知識をつけていくことが必要だと考える。とても興味深くわかりやすい講義だった。

  抗がん剤の副作用には様々なものがあり、それに対応した薬もたくさんありますが、どのように指導するとよいかをたくさん学ぶことができました。口内炎の嗽薬では、「ガラガラうがいではなく、ブクブクうがいで全体に行き渡らせて下さい。うがい後30分は飲食を控えてください」と指導するとよいと知り、投薬時に活かしたいと思いました。他にもカペシタビンでは痛みの程度があり、初めはチクチクピリピリといった痛みから、出血を伴ったり水泡ができたりすることがあるので、減量の対象となる段階かどうかを確認し、なるべく早めの受診を勧める必要があると知りました。また、痛みの対策として、きつい靴などは避ける事や一部に負担がかかるような体勢は避けるといった日常生活での注意点もしっかり伝えていければと思います。とても分かりやすかったですし、具体的な指導内容についてたくさん教えていただき、明日からの業務にたくさん活かす事ができそうな内容でした。

  最近は外来で癌治療をされている方も多く、薬局で投薬することも多くなりました。癌治療での副作用や、治療状況をどのように患者様から確認していいものか、言葉を選びながら患者様の気持ちに寄り添えるよう気をつけているのですが、言葉を選んでいるとなかなかコミュニケーションが出来ていないように感じています。今回の講義では癌治療の副作用1つ1つを丁寧に解説してくださり、副作用に対する処方を投薬する際に、患者様への説明や確認するべきことを示してくださったので、今後の投薬に活かしていきたいと考えております。

  がん治療開始後の有害事象をすべて副作用と決めつけず、患者の生活環境や変化を丹念に確認したり体調や精神状態の援助を心がけ、また異常を異常と患者自身が認識できるように注意事項を都度たんねんに説明確認する、我慢のしすぎがかえって症状を悪化させ本来の治療の妨げになるため夜眠れているか気になる出血や耐えがたい口内炎や四肢の痛みなど出現していないか声かけを継続するように努めたい。副作用を可能な限り未然に防ぎレジメンに沿った有効な治療を受けていただくために。

  抗がん剤を開始した患者の気持ちとして、副作用に対する不安や気持ち的な内容も多いということがわかった。わからない・経験したことないから不安に思うので、症状や対策を伝えていきたいと思った。また、副作用の内容次第だが、対策をすれば防ぐ・進行を遅らせることができるものもある。急に普段の生活に組み込むことは難しいので、タイミングやきっかけも合わせて提案し、継続してもらえる様な手助けをしていきたいと思った。また、その様な内容を話してもらえる様な信頼関係を築くためにいろんな話を聴き出せる様にしていきたいとも思った。

  今回は同じ薬剤師としての目線からのお話でとても分かりやすかったです。副作用についての指導内容などを丁寧に説明してくださった。実際の業務に則した内容でわかりやすかった。

  髙取先生のいらっしゃる病院の門前薬局で働いています。実際に抗がん剤の処方はちょくちょく受けてはいますが、病院勤務の経験がないため、抗がん剤治療に関してはわからないことも多いです。今回の講義で抗がん剤副作用それそれについて細かく説明していただき、実際の投薬に生かせそうだと思いました。抗がん剤は副作用が問題になってくるが、患者さんには身体症状のつらさだけではなく、精神的・経済的なつらさが大きいということを再認識しました。睡眠剤を処方されてる方もよくおられるので、いろいろ不安になって眠れない日が続くのだろうと思います。薬剤師が心に関わることはなかなか難しいですが、患者様の小さな訴えを聞き逃さず、副作用が疑われる症状をDrへ伝えていないようなことがあれば、フィードバックできるように患者さんの話を丁寧に聞いていきたいと思いました。

  今まで抗がん剤の副作用では悪心嘔吐や脱毛などが一番に思い浮かんでいましたが、実際に服用している患者さんの副作用のトップ3は「疲れる」や「不安がある」「精神的につらい」で、使用している本人でしか分からない心理的なものが上位に上がることに驚きました。また、抗がん剤開始後のすべての有害事象が薬が原因とは限らないので、有害事象が出たら減量や休薬を考えがちであるが生活習慣の変化や病気の進行度などをみて判断することが大切であることがわかりました。私は抗がん剤を使用している患者さんに関わることはめったにないが、がん患者さんに限らず、他の疾患でも薬を開始して出た症状だから薬のせいだと決めつけるのではなく、患者さんの変化をよく聞きだすことが大切だと思った。

  私は今まで抗がん剤を服薬指導した経験がない。がん治療はデリケートなところもあるので、どこまで踏み込んだ話をしていいか迷うところもあった。今回の講演を受け、服薬スケジュールと支持療法についてはしっかり患者さんやご家族と相互理解しながら投薬する必要があると理解した。抗がん剤治療中もインフルエンザの予防接種は推奨とのこと。注意が必要な接種時期についてもしっかり覚えておきたい。がん治療患者さんのつらさの2位は不安とのこと。『薬剤師がじっくり話を聞いてくれる、それだけで救われる患者さんがいる』この言葉を胸に、患者さんやご家族に寄り添った服薬指導を心がけたい。

  抗がん剤の副作用の話や対策についてわかりやすく説明して下さったので勉強になりました。抗がん剤を投与中の患者さんには、副作用(便秘、下痢、皮膚障害、貧血など)だけでなく、疲れやすさや経済面での心配など様々な不安があるので寄り添って話を聞いあげたいと思いました。好中球減少症の予防と治療では抗生剤単剤、併用の違いがあることに注意したいです。抗がん剤での治療中は鉄利用率が低下しているのでむやみに鉄剤を使用しない。口内炎でのうがいはイソジンは使用せず、キシロカインやアズレンを使用してブクブクうがい、うがい後は飲食を控えることを伝えていきたいです。皮膚障害の副作用対策として保湿剤を塗るときに1FTUを用いてわかりやすく説明していきたいです。乳がんの患者さんでは25%がうつ病を経験しており、併用薬の確認をしっかりし、不安なことを聞いて少しでも前向きに治療してもらえるように努力したいです。

  現在の店舗で、抗がん剤服用中の患者さんがほぼおられず、副作用の訴えを聞く件数も少ないため、いろいろな副作用の種類、症状を細やかな説明でわかりやすかった。患者様への声掛けの具体的な方法など分かり、とても良かった。患者さんからの訴えに、気を配れるように心がけたい

  一般的に抗がん剤は投与量を増やすほど効果が上がるとされているが、効果と副作用の出現する投与量が接近しており安全域が狭いため、副作用の軽減が課題になる。使用する抗がん剤、個々の患者の訴えにより選択すべき支持療法も変わってくる。まずは患者さんの訴えをじっくり聞いて信頼関係を構築し、患者さんの安心・安楽な薬物療法を一緒に支えたいと思います。ワクチン接種についても適切なアドバイスができればいいと思います。患者さんとのコミュニケーションの大切さがよくわかりました。

  抗がん剤は治療域が狭く副作用と隣り合わせのため、副作用の管理は重要である。また、全ての有害な事象が薬の影響とは限らないので、生活面の変化など視野を広げてみていく必要がある。一つ一つの副作用について丁寧に説明してもらえたので、とても参考になった。副作用ごとに何をアドバイスしたら良いかと、受診勧告の基準がわかったので、今後の指導に活かしたい。

  抗がん剤の副作用について今回の講演を拝聴して指導事項がより明確になったので、普段の業務で該当する患者さんと接するときに必要時にお話しできたらと思います。服薬指導の際などにどのような副作用が起こる可能性があるかを患者さんにとってわかりやすい言葉で伝えかつその副作用の起こる時期についても伝えていこうと思います。患者さん自身が異常を異常と思えるように指導する必要性がより認識できましたのでそのように今後患者さんに指導していきたいです。今回の講演であった相互作用について注意する事はもちろんだが監査時には相互作用に問題がないかを意識して業務にあたろうと思います。普段の業務で抗がん剤の服薬指導する機会があまりなかったのでその分野については苦手に感じていましたが今回の講演で更に頭の中で整理ができ自信を持って指導にあたる事ができると思います。

  薬剤師になってからがん治療の患者さんと関わる機会がこれまでありませんでした。講義の中でがん治療の目的のスライドで「完治を目指せるがん」、「根治を目指せるがん」があり、どちらも副作用の対策が大切になることがわかりました。抗がん剤治療の副作用で一つ上げられるのが、悪心、嘔吐があると思います。先生の講義で印象に残ってるのが「避けたいのは対策されていないのに吐き気があるから治療薬を減量しましょう」という話です。悪心、嘔吐には、投与後24時間以内に起きる急性のもの、投与後24時間~1週間以内に起こる遅発性のもの、抗がん剤のことだけ考えてあらかじめ予測できる予測性のものがあります。これらの知識を用いて悪心、嘔吐の副作用の対策がきっちりできれば治療薬の減量を間違ってしない行わないような対策につながると思いました。

  「抗がん剤開始後の全ての有害な症状≠副作用」ということに関して、がん専門薬剤師という立場の方がどのような考察をされているのか伺えて勉強になった。時間や労力をかけて取られたであろう「がん専門薬剤師」という専門性を持つ方から、その知識のエッセンスのような部分を惜しみなく教えていただいたかのような講義だった。これを1つの武器として今まで以上に、薬局薬剤師という立場からがん患者へ必要なことを行なっていけると思う。

  基礎的な内容から、実務に至るまで分かりやすく説明してくださった。抗がん剤開始後の全ての有害な症状は、全てが副作用であるわけではなく、生活環境の変化や、腫瘍に随伴する症状の場合もあり、安易に抗がん剤の用量を下げるのはNG。発熱性好中球減少の予防に使われる薬、治療に使う薬が分かった。患者さんから聞き取りをし、いつ服用するべきなのかきちんと確認して服薬指導ができるようにしようと思います。昔、末梢神経障害の予防薬でよく使われていた薬も、推奨薬からは外れている薬が割とある。根拠を持って説明できるよう心がける。患者さんの話しをじっくり聞いてあげるだけでも、救われる患者さんがいるとのこと。忙しい中でも、患者さんの訴えを聞き漏らさないように努力しようと思います。

  がん化学療法における支持療法について多くを学べました。抗がん剤について、治療域と副作用域が接近又は重複していることが多いのは知っていたが、同じ副作用であっても発生時期において対応が異なることがあることを知れてよかった。例えば発熱の副作用であっても、白血球が減少している状態で対策無く、発熱した場合、発熱性好中球減少症を疑い早急な抗生物質による治療が必要なのに対し、GCSF製剤を投与されていた場合で背中痛等の骨痛を併発している場合はGCSF製剤により引き起こされた普通の反応であり無治療もあり得ることを知り、がん薬物療法の奥深さを感じた。またがん患者に対し「何がつらいのか」研究されていた報告も興味深かった。①疲れる(疲労感)②不安感③精神的なつらさ④経済的なつらさ⑤味覚障害となっており、意外と薬物に対するつらさが少なくむしろそれ以外の精神的な面での辛さが大きいことも分かった。今後、がん患者と相対するときの参考にしようと思います。

  がん治療では様々な有害事象の程度に応じて対症療法を行う必要があるが、患者さんに起こったその事象が必ずしも薬によるものだけではないので聞き取りなどから判別を行う重要性を感じました。抗がん剤による吐き気は発生する時期によって機序が異なるので適した薬剤が選択されているか監査の時に見落とさないようにしたいです。また骨髄抑制では不足したものを単純に補うことは簡単には行わないことを初めて知りました。生活面を気を付けることで防げる副作用も多いので薬局での指導で予防に繋げたいと思いました。抗がん剤による末しょう神経障害では普段神経痛でよく処方されるリリカは推奨に足る根拠がないということでその辺もしっかり調剤の際には確認していきたいです。

  すごく細かく端的にまとまっていてわかりやすかったです。特に抗がん剤治療中だとスケジュール、投与量、副作用発現にばかり意識が行ってしまいがちだが、病状によるもの、生活の変化も原因になりえると考えて対応しないといけないと勉強になりました。食事の工夫なども服薬指導に取れ入れてみたいです。急性、遅発性、予測性、突発性…と副作用の発現時期での分類、若干イメージと異なっていたので勉強になりました。こんな風にいろいろまとめていただけてわかりやすかったです。
どういう副作用がどんな時期に出やすくて、予防に何を出してるか、どんな時に使うのか、いろいろ聞けてすごく参考になりました。鉄剤をむやみに使用しない、勧めない…は気に留めておこうと思います。ロペラミドの使用量が16mg/日までいく可能性があること、びっくりしました。食事内容、水分摂取、手足の保湿保護も気にかけます。こうしてみると、気にすべきことが盛りだくさんで大変ですね。「こういう時はこうしてみてください。」という服薬指導時に必要なアドバイスが随所にちりばめられていて、とても参考になりました。ありがとうございました。

  がん治療薬の副作用について写真を交えながら対処の方法を見ることもでき、とても貴重な時間になりました。とても興味深いお話で時間があっという間に過ぎていきました。私が勤めている店舗ではなかなかがんの治療に関わることは少ないですが、今後のためにしっかりと勉強していこうと思いました。ありがとうございました。

  抗がん剤治療における副作用対策について、調剤薬局が服薬指導をしたことを医師にトレーシングレポートにより情報提供することにより、患者様の不利益を防ぐことができる。薬局からは、服薬スケジュール混乱回避、支持療法処方漏れ回避、支持療法追加希望などの疑義照会が行われている。第2部の疑義照会に関する講義につながるお話もあり、興味深く受講することができた。

 

  

 

つづいて、岡山ろうさい病院 薬剤部長の竹田 克明先生にご登壇いただきました。

 

 

薬局から処方医への疑義照会は、薬剤師の日常的な業務のひとつ。
保険薬局薬剤師の疑義紹介による経済効果を調査した論文によると、疑義照会によって削減できる薬剤費は100億円を超え、重篤な副作用回避による年間医療費節減効果は133億円以上にもなるとか。
適正な医薬品使用で患者さんに効果的な治療を受けていただくために、病院と薬局の薬薬連携は重要です。
薬剤部長の竹田先生による「岡山労災病院での疑義照会の現状と今後取り組むべき課題」のご講演では、まず、岡山労災病院における疑義紹介の内訳とその推移のデータを、見やすい表やグラフを活用した資料で共有していただきました。
岡山ろうさい病院において全体的な疑義照会率は減少傾向にあり、特に「記載漏れ」「用法用量の疑義」など単純なミスによるものは、システム改善によって大幅に減少。一方で保険薬局による残薬解消のための「日数調整」、メーカーの販売中止等に起因する「先発、後発品への変更」「メーカー欠品による処方変更」が増加しており、時代的背景があらわれています。
調剤前に行う疑義照会は、患者さんをお待たせするだけなく、薬局と病院双方にとって業務効率を下げる要因にもなります。確かめないと調剤できないものは疑義照会で。即時性・緊急性は低いが処方医に伝える必要があると判断した場合にはトレーシングレポートで、と使い分けて活用していけるとよいですね。患者さんに不利益の出ないよう、お互いにしっかり連携をとっていくことが大事だと考えます。
竹田先生、ありがとうございました。

 

 

【受講者のこえ】

 ■ 岡山労災病院での疑義照会の全容を把握できた。疑義照会を行うきっかけとなった要因といては、処方せん、薬歴、患者からの聞き取りなどがあげられる。検査値からの疑義照会がないのは、処方せんに記載せず患者さん自身に検査値結果を渡しており、薬剤師が触れる機会が少ないことが原因として考えられる。必要であれば患者さんに検査値結果を見せてもらい判断したいと思う。疑義照会とトレーシングレポートをうまく使い分けて必要な情報提供をしていきたい。疑義照会をFAXで送る際、誤って個人宅などに誤送信してしまった場合、送信先に取りに行きこちらで破棄するなど、個人情報の流出に十分注意していきたい。

 ■ 私たちが疑義照会をすることによって、年間102億の薬剤費の削減になっていたり、副作用の回避によって103億の年間医療費の削減に繋がっていると知り、改めて疑義照会の重要性について理解しました。今日の講義を受け、まだまだトレーシングレポートを活用できていないなと感じたので、もっと疑問に感じた事やドクターに伝えておきたい事など積極的に送っていきたいと思います。患者さんが先生にはなかなか言いづらい事だったり、投薬時の内容で伝えないといけないと思った事など、もっと情報共有していく必要があると感じました。明日からはもっと意識して業務に臨みたいです。電子処方箋の導入によってこれから薬剤部との疑義照会のやり方なども変わるかもしれませんが、引き続き薬薬連携を取っていく必要性を感じました。

 ■ 面処方を受けることが多くなりましたが、大きな病院の処方箋の疑義照会は敷居が高いと感じています。院内の状態はわからないので、Drにとって煩わしいものではないのかと思うとできればしたくないのですが、薬剤師としてしなくてはならないことでもあります。今回の講義のように院内の状態を示していただけると、気持ち構えず疑義照会しやすいと感じました。できれば他の病院からも調剤薬局に対しての要望や疑義するときの注意点等を示していただけると、病院と調剤薬局の連携も今以上にとれるのではないかと感じました。私自身も処方箋をいただける病院と連携がとれるように考えていこうと思います。

 ■ 岡山労災病院で実践されている疑義照会の現状と今後の取り組むべき課題について拝聴しました。現在の職場においては労災病院からの処方箋に携わることはありませんが、薬剤部と保険薬局とのFax報告を見せていただいたことは大変有意義で、自分の職場と倉敷の基幹病院との日々の疑義照会の際にぜひ参考にさせていただき活用させていただきたいと思います。またトレーシングレポートの活用の仕方や周術期に中止の検討が必要な薬剤の種類と中止時期の目安は複数の医療機関を受診されている高齢者の方の多い職場であるため、明日からの勤務でしっかり活用実践できるように努めたいと思います。質疑応答にもわかりやすくお答えいただき、よく理解できました。

 ■ いつも申し訳ないなと思いながら送っていたが、患者の安全のためなので疑義照会やトレーシングレポートなどは積極的に送っていいと門前の病院の薬剤部部長から言われ安心した。院内での疑義照会・トレーシングレポートの使用方法も聞くことができ、どちらで情報を伝えるべきなのかがわかかった。疑義照会の内容の推移を年代ごとに比較し、竹田先生なりの分析もあり大変わかりやすかった。非常に柔軟で積極的な先生で月に1回話し合いの場が設けられているため、患者のために今以上の薬々連携を取れる様に何ができるのか日頃から考えていきたいと思った。

 ■ 私は労災病院の処方箋をうける薬局にて働いています。病院に疑義紹介することは毎日何件かあります。病院の調査結果では、1年間に約11万枚の処方が発行され、そのうち約3600枚が疑義紹介になっていると聞き、すごい量だなと思いました。病院の薬剤部はかなり大変なのかなとも感じました。事後報告でいいような内容は、その都度ではなくまとめて報告したりもしていますが、たくさんの病院を受診しており、併用薬がたくさんある場合には重複していることもあったりして、疑義していると時間もかかって患者さんの待ち時間も増えるという悪循環になっている気がします。患者さんにお薬手帳をしっかり活用してもらい、診察時に先生に併用薬などをしっかり伝えるように今まで以上にお話ししていきたいと考えます。

 ■ 疑義照会の重要性と今後の課題について考えるきっかけとなった。疑義照会をすることで薬剤費を億単位で節減できていることを初めて知った。実際の疑義照会で重複投薬や、日数調整をお願いすることはあるので、これが医療費削減につながっているとは思っていたが、予想以上の金額で驚いた。また、疑義照会は薬を安全に使用するために重要だが、患者さんの待ち時間はどうしても増えてしまう。同効薬でもあえて併用している、チェックがなくてもGEではなく先発など、疑義の対象だが結局処方が変わらないのに待たせてしまうこともあるし、疑義照会は病院、薬局共に労力がかかるので、疑義対象のものでもそのまま処方の場合のケースはある程度疑義済みでOKなどの決まりを決めておくことも必要だと改めて感じた。岡山労災病院ではトレーシングレポートを出すと電子カルテに入れて次回受診された時にも見れるようになっていると聞き、実際トレーシングレポートを出しても次回処方時に反映されていないことも多いが、結局疑義すると変更になるというケースを多々経験している身としては良いなと思った。処方箋を見ただけでは出てこない疑義も患者さんとの話のなかで出てくることもあるので、投薬時にしっかり聞き取ることが大切だと改めて感じました。

 ■ 私の店舗でもプロトコルは大学病院と提携しているので慣れているためか話が頭に入っていきやすかった。大学病院前と疑義の仕方が似たところもあってどの病院もかわらないなと感じた。しかし、労災病院の疑義照会が全てFAXでして回答も全てFAXでするところは、時間がかかって電話の方がいいのではないかと思うところもあったが、緊急を要する場合はむしろ電話より早いのかなと思われた(実際5分から10分で回答が返ってくると言っていたので)。検査値のデータは岡大は結構記載されていることが多く、それにより気づくことも多いので今後記載していってほしいと個人的には思った。検査値については私も見落としていることが多いのでしっかり患者さんの状態を把握するために今後は見落とさずにみていきたいと思う。

 ■ 労災病院での疑義紹介の内容を知ることができた。FAXによる疑義には正直驚いたがレスポンスはいいとのこと。書面でのやりとりは相互理解不足によるミスを少なくできるので、メリットも大きいと思われた。2019年度と2021年度の疑義内容を比較分析の結果、指示の記入漏れなどシステム上で改善できる疑義が減る一方で(病院の改善努力の賜物)、2021年度はメーカー欠品による変更依頼が増加していた。自店舗も同じでメーカー変更を度々お願いしており、世相を感じた。労災病院はDrと患者さんとの理解が違う場合の処方変更が若干難しい雰囲気が感じられた。自店舗はクリニックDrとの距離が近く、患者さん希望の変更をお願いしやすいので、この関係性を維持していきたいと思った。

 ■ 疑義紹介やトレーシングレポートについて今の現状と課題などについて説明して下さり勉強になりました。疑義紹介では同成分・同効薬の重複、一包可への希望、日数の変更などが主にあります。薬剤師としてお薬手帳で併用薬の確認をし、成分・同効薬の重複を防いでいきたいです。腎機能、肝機能によって用量が変わる薬の場合は検査値を確認をして、正しい用法用量で出されているかを見極めたいです。高齢者の場合、薬の上限が決まっているものが多いので注意したいです。即時、緊急性は低いけど医師に伝える必要があるものはトレーシングレポートとして提出していきたいです。疑義紹介では患者さんの待ち時間も長くなる場合が多いのできちんと説明して待ってもらえるよう伝えたいです。疑義紹介で少しでも患者さんのためになるように勉強して知識をつけていきたいと思います。病院と薬局との連携もこれからますます大切になってくると思うのでコミュニケーションを取っていきたいです。

 ■ 疑義照会については日頃行うことも多いが、分かりやすく伝える方法も考えて送ることも大切だと思いました。疑義照会による処方変更において、重複投与による問い合わせは、46%を超えておりポリファーマシーの予防にも大きな役割を果たしている 保険薬局薬剤師による疑義による処方変更での経済効果は年間102億円、重篤な副作用回避については、年間130億円とのことで、医療費削減に大きく貢献していることがわかります。

 ■ 岡山労災病院での疑義照会はFAXで行われていること。以前多かった記載漏れはシステム変更し医局会等で注意喚起され減少していること。岡山労災病院の疑義照会について具体例を用いてわかりやすく説明していただきました。残薬がある場合、次回日数調整してくださいと患者さんに伝えているが、次回も忘れていて同じだけ処方されている場合があるので、トレーシングレポートで情報提供しておいたほうがいいと思いました。今後電子処方箋に移行した場合の疑義照会については医療機関と情報を共有しながらの対応が必要と思われます。後発品から先発への変更、先発品の剤形変更、規格の変更などは疑義照会が簡略できるよう医療機関と打ちあわせをしてできるだけ患者さんを待たせないようにできたらいいと思います。

 ■ 疑義照会で問い合わせがある内容には、記載漏れ、日数調整、用法容量について、重複や相互作用に関するものなどがある。最近では、メーカー欠品や出荷調整による疑義照会が増えている。病院側はどのような疑義照会があったのかを調査して、ケアレスミスによる疑義等は繰り返さないように対策をしている。急がないが病院側に伝えておきたい情報は、疑義照会ではなくトレーシングレポートの活用が好ましい。病院側の現状や、考えがわかって参考になった。情報を必要なタイミングで正しく伝えるために適切な方法で情報を提供できるようにしていきたい。

 ■ 年々高額な薬剤の薬価も上がっていて薬価の中央値も外用薬を除き上がっており現在は更に上がっている可能性があり、疑義照会がもたらす経済効果はかなり高く益々適正な疑義照会の必要性があることを認識できました。疑義照会のきっかけの内訳は処方箋を除き患者さんの聞き取りや薬歴が多いことからいかに薬局薬剤師の重要かが再認識されました。薬局薬剤師でないと気付けない処方内容の不備の見落としがないように服薬指導や薬歴記載を行なっていこうと思います。現在トレーシングレポートの提出はできていないので、今回の講演でより疑義照会とトレーシングレポートの違いについて理解できた事で日々の業務で該当する患者さんについて必要時に行えると思います。病院によって手術時に中止する薬剤の中止期間は違うので公表している病院については再度確認する必要があることを再認識しました。病院ではわからなく薬局でないとわからない患者情報(例えば一包化している場合)を必要時に適切に病院に提示しようと思います。今回講演頂いたメインの疑義照会の内容について拝聴した事でいかに疑義照会が重要であり更に薬薬連携の重要性も再認識できました。

 ■ 病院と薬局でお互い知りたい事だったり、疑義紹介の現状と今後取り組むべき課題についてとても分かりやすかったです。疑義紹介は緊急性が高いもの、トレーシングレポートは即時性、緊急性は低いものの、処方医に伝える必要性があるものだということがわかりました。私は薬剤師2年目になりますが、トレーシングレポートを記載したことが数回しかなく、今一同いったときにトレーシングレポートを記載しないといけないかが分かりませんでした。今後トレーシングレポートも活用できそうな機会があれば取り組んでいきたいと思います。現在社会は電子化が進んでおり、今後電子処方箋も増えてくると思います。病院と保険薬局がお互い情報共有しながら、足並みを揃えて対応していかなければならない現状が伝わり、今後対応できる知識を身につけていかなければいけないと思いました。

 ■ 岡山労災病院での疑義照会の現状と今後取り組むべき課題について理解できた。トレーシングレポートによる処方医のフィードバックも重要である。今後電子処方箋管理サービスの利用は保険薬局と病院とのあいだで情報を共有しながら対応していく必要がある。疑義紹介とトレーシングレポートを上手く活用していきたい。

 ■ これまでの調剤業務においてその場その場での疑義照会はしてきたが、それらが病院側で「蓄積されたデータ」として取り扱って調査をされており、その結果や考察を伺えて勉強になった。疑義照会によっておおむね変更される類のものもあれば、変更される確率としては半々ほどの類のものもあることが、とくに印象に残った。一つ一つの蓄積されたデータをまとめ、その結果を受けて考察して次の行動へ移していくことで、病院・薬局お互いの業務効率化に繋げていただいているのだと感じた。今回のテーマである疑義照会やトレーシングレポートの活用の仕方はもちろん、仕事の仕方としても勉強になり、自分自身も何か同じようなことをしてみると面白いかと思った。

 ■ 疑義照会の以前と最近の傾向が分かった。入院、退院時に処方の重複が起こる事が多く、お薬手帳などを活用し、しっかりチェックする必要がある。システムの改善により、単純な処方ミスは大幅に減少する事が分かった。処方医の元へ届けたい情報は、トレーシングレポートを使用して報告しているが、今以上に患者さんが困っている事や訴えも報告できるようにしようと思います。疑義照会の必要な内容であるのか、トレーシングレポートで報告すべき内容であるのか判別し、報告をしようと思います。今後も、病院と薬局のそれぞれの役割を発揮できるように努めたいと思います。

 ■ 岡山労災病院の処方箋を受け付ける機会は多くはないが疑義照会することは比較的多くある。その中でも湿布の1日用量のコメント抜けが多かったが最近になってシステム的に取り組めたことを薬剤部長から直々に聞けたのは良かったと思う。今後の電子処方箋の取り組みについてはやや消極的な姿勢を感じられたが時代の流れもあるので逆らえないと個人的には思う。どのように順序だてて進めていくのか注意して見守っていく。トレーシングレポートについては送信先を具体的に知ることが出来、また先方も受付体制が整っていることを知ることが出来たので今後は積極的にこちらも発信していけたらいいと感じた。

 ■ 疑義照会の方法は医療機関毎に異なり、且つ先発後発への変更は確認不要等の記載が処方せんにあるケースもある為処方せんの内容は確認したうえで行おうと思いました。また疑義照会であればリアルタイムで手間をとらせてしまうがトレーシングレポートであれば即時性・緊急性は低いので手がすいた時に確認・対応してもらえばよいので病院・薬局両方の効率を重視する意味でも今後もしっかり活用したいと思いました。疑義照会はほぼ全ての薬剤師がやった経験はあるはずであり、その中でも質のいいものを目指したいです。

 ■ いろいろと院内側の事情も聞けて有意義だったと思います。どうしても人的ミスは出るので、システム変更(記載抜けできないようにするとか、警告出るようにするとか)で、疑義件数が減ってるのは素晴らしいなと思いました。ミス、事故を防ぐためにも患者さん自身の治療への理解向上、薬剤師の聞き取り技術が必須だなと思いました。つい、まとめて報告してしまいたくなるが、疑義照会とトレーシングレポートの区別は必要だなと思いました。リフィル可に2重線を入れるようになったのはいい対応だと思いました。他院(関連医院)に関しても見返して、依頼できたらお願いしたいと思いました。相互で意見交換もでき、有意義な時間だったと思います。

 ■ どんな内容の疑義照会が多くなされてるのか、どの都道府県が多くされているか、疑義照会をした後その内容で変更されているのか等リアルな内容を見ることができました。疑義照会をすることは、薬剤師の仕事の中でも重要な仕事の内容の1つであると思います。特に、薬の成分の重複、他院で出た薬との相互作用、副作用の発現の可能性、患者さんからの変更依頼等、様々な理由がありますが、見落としてはいけない内容があると思います。これらは薬剤師にしかできない業務であると思います。薬の作用機序、用法等見落とすことが無いように、薬剤師として、薬のスペシャリストとして、日々勉強をしながら経験を積みたいと思います。今後の業務をさらに充実させ、目の前の患者さん一人一人に丁寧に向き合うことができるよう心がけていこうと思います。具体的な例を見ることができて、とても貴重なお話でした。私自身、これからも疑義照会、トレーシングレポートをもっと活用できるようにしたいと思いました。

 ■ 提出されたトレーシングレポートがどのように医師に届くのかの紹介もあり、実際にトレーシングレポートが生かされていることが実感できた。残薬調整による日数調整や、医薬品の供給問題による薬のメーカー変更、規格変更、残薬による日数調整等日々疑義照会の必要があることが多いが、今後プロコトル等で効率化、簡略化されると業務がしやすくなると思う。お薬手帳を診察時に医師に見せていないことによる重複投与や、他科受診歴、アレルギー、副作用歴の情報等を見落とさず、かかりつけ薬局としての機能を発揮できるように日々努力していこうと思う。

 ■ 疑義照会の内情やそれについての改善に向けて対策してもらえてるのがよくわかりました。退院時などに重複処方が起こりやすいので、チェックしていきたいと思います。また患者さんのためにもトレーシングレポートを活用し、病院との連携を深めていきたいです。なかなかハードルが高いと思ってましたが、それをカルテに反映させてもらえているという内情を教えてもらえたのも良かったです。普段処方を殆ど受けることのない労災病院ですが、その取り決めなどを聞く機会を持てて良かったです。

 ■ 調剤薬局が処方医に疑義照会することは、医薬分業の目的であるが、トレーシングレポートを用いて治療のフィードバックを行うことも求められている。労災病院では、トレーシングレポートを提出すると地域連携室で確認して薬剤部に届く仕組みになっている。病院の医師に疑義照会を行うときは、患者様を待たせているため直接電話での確認が主になっているが、FAXを薬剤部に送ることで内容が正確に伝わり、データ処理されてエラー表示など改善に役立つことが分かった。


 

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