第433回 サンデーセミナー
【日時】 2025年 8月 17(日) 9:40~12:20
【会場】 zoom会議室
【講義プログラム】
■『糖化ストレスの最前線:薬剤師が知っておきたいAGEsの基礎と応用』
森 秀治 先生
(就実大学薬学部 薬理学研究室 教授)
■『接遇【クレーム】』
山本 統子 氏
(日本ケミファ株式会社)
【研修認定単位】 1.5単位
薬剤師に向けて「臨床で役立つ最前線知識×現場対応力」をテーマに毎月開催される富永薬局のサンデーセミナー(サンゼミ)。
今回は、第一部で糖化ストレス(AGEs)の基礎と応用、第二部では薬局現場に即したクレーム対応を学びました。
糖化ストレス(AGEs)を“患者指導の言葉”に変える
【学びの要点】
AGEsの基礎:タンパク質や脂質が糖と結合する糖化反応の流れ、AGEs蓄積が招く慢性炎症・老化・疾患リスクを整理。
栄養・調理の実践:食材と調理法(揚げ・焼き・煮る・蒸す)でAGEs形成が変わること、食べる順番の工夫など生活提案の具体を学習。
生活習慣の介入:禁煙・節酒・運動がAGEs対策として有効である根拠を確認し、服薬指導とセットの生活指導に落とし込む視点を共有。
【すぐ使える実践ポイント】
✅ 服薬指導で「食べ方・作り方」の一言添え(例:揚げ物の頻度、焼き色の付け過ぎ、“蒸す・煮る”の活用)。
✅ 生活改善の動機づけに「AGEs=見えないサビ」の比喩で患者さんの納得感を高める。
✅ 定期面談で食生活チェック項目(間食・飲料・調理法)を取り入れる。
【受講者のこえ】
■ どういったものなのかがよく理解でき、薬剤師として伝えていくべき内容だと感じた。
■ 患者さんへの食生活のアドバイスにいかせるといいなと思いました。
■ AGEsについてもっと掘り下げたことが分かればよかった。
クレームを“満足”に変える初期対応
【学びの要点】
レベル分類と見立て:クレームの段階(誤解/不満/ハラスメント)を見極め、対応の「深さと人選」を調整。
初期対応の3ステップ:①事実確認と傾聴、②共感の表明と不安の可視化、③次の打ち手(説明・代替案・関係者連携)の提示。
伝え方の技術:表情・態度・言葉の一致(非言語を整える)、説明の透明性を高め“不透明さ”由来の不満を減らす。
組織対応:記録→共有→再発防止のサイクルで学習を資産化。
【すぐ使える実践ポイント】
✅ 受付・窓口での「先に聴く」定型句の準備(例:「状況を整理させてください」「いま分かることと、確認が必要なことをお伝えします」)。
✅ 見える化ツール(待ち時間・価格・手順の掲示)で誤解の芽を摘む。
✅ 事例メモを週次で共有し、再現フロー(最初の一言・エスカレーション条件)を整える。
【受講者のこえ】
■ 改めて接遇の手順を確認でき、今後患者様の満足につながるように対応していきたい。
■ 日頃からのコミュニケーションが重要だと思いました。
■ 薬局に特化したクレームについての話だったので身近だった。
現場で“伝わる工夫”を
今回は、病態・生活・接遇が一本の線でつながる研修でした。
AGEsの話は生活提案の引き金に、クレーム対応は満足づくりの型に。明日からの現場で「一言の付加価値」を意識して取り組んでいきましょう。
次回サンデーセミナーに参加しませんか?
富永薬局のサンデーセミナー(通称『サンゼミ』)は、薬剤師さんならどなたでも無料で受講できるオープンセミナーです。毎月第3日曜日にZoomによるオンライン配信で開講。受講薬剤師には「薬剤師あゆみの会」から、認定薬剤師の研修単位が付与されます。
最新の臨床知識と現場力を150分でアップデート。席数に限りがありますのでお申し込みはお早めに。
かかりつけ薬剤師を目指す地域の薬剤師さん
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薬剤師生涯教育を先行体験したい薬学生さんのご参加も歓迎です。