第435回サンデーセミナー(2025年10月)より良い日常のための薬物治療

第435回 サンデーセミナー

【日時】 2025年 10月 19日(日) 9:40~12:20

【会場】 zoom会議室

【講義プログラム】

  ■『骨粗鬆症の治療選択と問題点』

  川溿 雄大 先生(あおぞら整形外科 骨粗鬆症・リハビリ・スポーツクリニック 院長)

  ■『眼科用剤に使用される添加剤と生物学的同等性試験について/ドライアイとMGD』

  近藤 秀俊 氏(日東メディック株式会社)

【研修認定単位】 1.5単位

 

薬剤師に向けて「臨床で役立つ最前線知識×現場対応力」をテーマに毎月開催される富永薬局のサンデーセミナー(サンゼミ)。

今回は、第一部で整形領域から骨粗鬆症治療の最新動向、第二部では眼科用剤の添加剤・BE試験、そしてドライアイ(特にMGD)について学びました。

 

骨粗鬆症:治療の設計図を描く

 

 

【学びの要点】

治療の目的:骨折予防=生活機能とQOLの維持。

薬剤ポジショニング:骨形成促進薬→骨吸収抑制薬のシークエンスなど、患者背景に応じた選択。

評価と介入:FRAX等のリスク評価の活用、運動・栄養・日照(ビタミンD)の生活介入を薬物療法とセットで。

安全性:MRONJ予防のための歯科介入や低Ca管理など、実務上の留意点。

 

 

 

【すぐ使える実践ポイント】

✅ 服薬指導で治療目的(骨折予防)を明文化して継続率を上げる。

✅ 初回説明シートに「治療シークエンス例/検査タイミング/副作用チェック」を1枚で整理。

✅ FRAXの数値を面談時の共通言語にし、生活介入の動機づけに活用。

 

【受講者のこえ】

 骨形成→吸収抑制のシークエンスが腑に落ちました。患者さんへの継続支援の説明にそのまま使えます。

 FRAXの数値を見せながら話す重要性を再認識。面談の“共通言語”にします。

 MRONJ予防の歯科連携や低Ca対策など、実務のチェックポイントが具体的で助かりました。

 転倒→脆弱性骨折の実例(写真/動画)で危機感が持てました。生活指導の説得力が上がりそう。

 運動・栄養・日照まで1枚に整理されたスライドが分かりやすかったです。

 未治療や治療中断の課題と対策(初回説明・フォロー時期)が明確になりました。

 自己注射製剤の位置づけと切り替えの目安を理解。薬歴の書き方も見直します。

 整形門前なので即実践できます。訴えに合わせた“言い換え例”が現場向きでした。

 副作用(低Ca・顎骨)のモニタリング項目が整理でき、チーム共有に便利。

 図表・チャートが多く、病態~治療戦略まで流れで理解できました。

 講義の情報量は多めでしたが、要点が繰り返し示されていて記憶に残りました。

 治療目的=骨折予防・QOL維持を最初に共有する重要性を、患者説明シートに反映します。

 

骨粗鬆症の“治療の設計図”をわかりやすく整理してくださった川溿雄大先生、ありがとうございました。明日からの面談や説明にすぐ活かせるヒントを多く頂きました。

 

眼科領域:添加剤・BE・ドライアイ(MGD)を現場言語に

 

【学びの要点】

添加剤とBE:点眼薬の製剤設計(粘度・pH・浸透圧・防腐剤 等)が生体内挙動に与える影響と、同等性試験の見方を整理。

ドライアイの層別:涙液層・マイボーム腺(MGD)の観点から層別治療を理解。

生活指導:VDT作業の20-20-20ルール、オメガ3等の栄養面、OTCの適正使用まで幅広く。

 

 

 

【すぐ使える実践ポイント】

「添加剤×訴え」早見表(しみる/乾く/ぼやける 等)で製剤切替や指導文言を標準化。

窓口で20-20-20ルールを一言添える:20分作業したら6m先を20秒見る。

OTC相談フローにMGDのセルフケア(温罨法・清拭)の案内を追加。

 

【受講者のこえ】

■ 点眼薬の組成に関する話が実務に直結して有用でした。

■ MGDの考え方が理解でき、OTC対応の幅が広がったと思います。

■ 20-20-20を患者さんにも勧めたい。

 

総括|臨床+製剤+生活指導を“1つの線”に

骨粗鬆症では治療シークエンスと継続支援、眼科では製剤理解と層別対応が核でした。
明日からの現場では
(整形)リスク評価→治療目的の共有→継続支援の面談フロー整備
(眼科)訴え×添加剤×生活指導をつなぐカウンター・トークの定型化
を、ぜひ取組んでいきましょう。

 


 

 

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