2023年07月24日
「急に災害が起きて薬の在庫がなくなった時、薬局はどうしているんだろう?」
「避難所生活で患者さんが病院に行けない時、お薬はどうするの?」
「薬剤師は避難場所や災害地に行くんだろうか?」
災害は急に発生するもの。
予想もしていなかった災害が急に起こってしまった時に混乱してしまうのは、医療現場においても一緒です。
しかし患者さんの命を守るために、
医療の現場においてはさまざまな役割が設けられています。
✅本記事の内容
- 災害時における薬剤師の役割や取り組みは?
- 薬剤師は災害時、どういった活動をするの?
- 富永薬局薬剤師も災害への備えに取り組んでいます
- 災害時における薬剤師の役割や活動は多岐にわたります
この記事では「災害時における薬剤師の役割は」という疑問に回答し
【災害場所での薬剤時の活動】についてご紹介いたします。
災害時における薬剤師の役割や取り組みは?
災害時における薬剤師の取り組みが知られるきっかけとなったのが、
2011年3月11日に発生した東日本大震災ではないでしょうか。
日本薬剤師会の「東日本大震災における活動報告書」によると、発生した当日には災害対策本部を立ち上げ、都道府県薬剤師会の連携のもと、岩手・宮城・福島の3県を中心に継続的な薬剤師の派遣をしたことが記載されています。
薬剤師の災害時の役割については
・自分が勤めている医療機関が被災した場合
・救援活動を行う場合
により、多少動きが変わってきます。
自分が勤めている医療機関が被災した場合は、勤めている機関の指示を仰ぎながら、患者さんのことを一番に考え行動することが求められます。
まずは、患者さんの安全とケガをしている人の救護です。
そして医療機関に入院している患者さんはもちろんですが、
在宅で治療をしている患者さんの安否確認や避難の支援も必要になります。
救援活動を行う場合は医療救護所や避難所が設置され、
薬剤師はさまざまな役割が求められます。
災害時には自治体や医療機関から派遣された医療チームにより、医療救護活動が実施され、医薬品の選定や(災害時にはお薬が限定されてしまう可能性もあるため)、医師が急遽専門外の科目を診察しなければならないため、医師と連携を取りながらお薬同士の飲み合わせなどを確認するなど幅広く対応しなければなりません。
救護所や避難所で行う薬剤師による服薬指導は厚生労働省防災計画に記載されている薬剤師の役割です。
特に被災した直後の混乱した現場では
患者さんのお薬の情報がすぐ把握できない場合もあります。
情報を管理していた病院や薬局が被災している可能性があるからです。
そこで重要なのが、薬剤師による薬の「割り出し」です。
<薬剤師による薬の割り出し>
自分で飲んでいるお薬を覚えていない患者さんもいます。
薬の割り出しをするために、患者さんから
・診断を受けている病気の名前
・お薬を飲んでいた時間
・お薬の形状
などを薬剤師は聞き出し、お薬を特定するという重要な役割です。
混乱している被災地において、
この薬の割り出しは患者さんの健康を守るとても大切な仕事になります。
薬剤師は災害時、どういった活動をするの?
薬剤師は災害の現場において、具体的にはどういった活動を行うのでしょうか。
◆医薬品の管理
被災地に残っているお薬と全国から届けられた医薬品などの支援物資を管理し、
仕分けをするのは災害時における薬剤師の活動の一つです。
例えば、以下のような業務を遂行しています。
・災害の中で限られた医薬品の選別
・全国から届けられた医薬品を効能ごとにまとめる
・どんな種類の医薬品が充足し、不足しているかリストアップして発注
など冷静に対処しています。
時には
医師の処方に対して、現在残っているお薬で対応できるよう医師に提案をすることもあります。
被災直後は、限られたお薬しか残っていない場合があります。
薬の専門家である薬剤師が効能や成分、副作用の危険性などを医師に伝え、処方内容を相談することもあります。
◆届けられた医薬品を渡す
救援物資の中には、風邪薬や痛み止め、湿布薬など市販薬も含まれます。
薬局で市販薬の相談を受けた時と同じように、
普段から飲んでいるお薬との飲み合わせや副作用、効能について説明をし、渡します。
届いたマスクや消毒液などの衛生用品を配ることも時には薬剤師の仕事です。
◆避難所の衛生管理
避難所の感染症予防や拡大を防ぐことも薬剤師の活動の一つでもあります。
感染症予防対策や、消毒方法、避難所などの共同スペース(トイレや洗面所、食事場所)の衛生管理に務めます。
予防対策を被災者に周知したり、共同スペースの清掃やその方法を伝える役割もあります。
◆被災者の体調管理
被災者の体調管理にも薬剤師は務めます。
病気やケガなどを実際に診断するのは医師ですが、事前に被災者に聞き取り、普段と違った身体の異変などがないか把握し、何らかの病気の心配やその疾患が疑われる方には、医師や看護師の医療チームへ伝達、相談をし、被災者の体調の悪化や急変に備えます。
被災地は病気やケガをしている方で混乱している場合もありますので、身体の異変に自分で気づけない方や自覚症状はあるのに、言い出せない方に薬剤師から声をかけ、健康や体調管理をサポートします。
また、「お薬手帳の活用」が災害時にとても有効だったとの例も報告されています。
災害時では、普段飲んでいるお薬とは別のお薬が処方されることもあるため、飲みなれないお薬でも、患者さんが飲み方を間違えたり、不安を感じないよう薬剤師からの口頭の説明以外に、お薬手帳に注意事項などを記載する取り組みがなされました。
富永薬局薬剤師も災害への備えに取り組んでいます
薬剤師が「地域と連携して災害医療活動を行う一員」として、
その対応を果たすよう、富永薬局グループでは平常時より体制を整え、確保しています。
平常時及び災害時に行政等と連携をし、地域の災害対策に貢献すること、災害に関する研修や訓練に積極的に参加をすることとしています。
災害時においては
・富永薬局グループ各店は、BCP(業務継続計画)に基づき、業務を早期復旧します。
・行政機関や地域の関連団体と連携をし、地域の災害支援をサポートします。
例えば、薬剤師の派遣や医療品供給などに関して、グループ薬局間で調整を行います。
・地域の薬局として他の薬局の現状等を情報収取し、他の薬局への情報発信を行います。
・災害時のお薬手帳の重要性について周知します。
富永薬局では災害時の役割を果たせる薬剤師を整えています
概要は災害への備え | 富永薬局グループ (kusuriya.co.jp)
で解説しています。
災害時における薬剤師の役割や活動は多岐にわたります
災害時は薬局の機能が難しく、患者さんがいつも利用する薬局に行けなくなってしまうということもあります。
そこで「モバイルファーマシー」という災害対策医薬品供給者が、
各避難所に行き、医師の処方せんに基づく調剤を行ったり服薬指導を行うなどし、地域の人々の健康を守る活動をします。
災害が起こった時、薬剤師の活動や果たすべき役割は多く、医師や看護師、他の医療チームと連携をしながら、地域の患者さんを始め、被災者の健康や体調不良を支えます。
現在も緊急時に対する取り組みが国内で進められています。
急に起こる災害に対し、富永薬局では研修や訓練を重ね、日頃から対応できるよう取り組んでいます。
「こんな時は…」相談できるベテラン薬剤師も在籍しているため、安心です。
富永薬局は、災害時も薬剤師の果たすべき務めを意識しながら、
これからも地域の方の健康をサポートし、皆さまの身近にある薬局として、さまざまな活動に取り組んで参ります。