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2023年05月15日

電子処方箋で使うHPKIカードとは?必要な理由から疑問までを徹底解説

電子処方箋が2023年1月より開始となり、職場からHPKIカードの発行を求められた方も多いでしょう。

 

 

HPKIという聞きなれない言葉に、困惑しているのではないでしょうか。

 

HPKIはどんな仕組みなの?」

HPKIカードは、必ず作らなくてはいけないの?」

HPKIカードは、どんな場面で使うのだろう?」

 

 

この記事では、

電子処方箋の運用においてHPKIカードが必要な理由や、HPKIカードにまつわる疑問にお答えします。

 

 

 

電子処方箋に関わる「HPKIカード」とは?そもそも何??

 

HPKIカード」とは、医師・薬剤師が電子署名をする際に必要なカードです。

 

HPKIとは「Healthcare Public Key Infrastructure」の略称で「保健医療福祉分野の公開鍵基盤」と訳されます。

 

HPKIは、公開鍵基盤の仕組みに追加して、

その人自身が保険医療福祉関連の国家資格を持っていると確認ができる仕組みとなっています。

 

 

 

電子処方箋において「HPKIカード」が必要な3つの理由

 

電子処方箋の運用において、

 

 

HPKIカードは主に

・【医師が電子処方箋を交付するとき】

・【薬剤師が調剤済みの記録をするとき】

・【患者さんの健康保険証の情報格納】に使われます。

 

 

 

そもそも、なぜHPKIカードを使わなければならないのか、疑問に思わないでしょうか。

 

 

HPKIカードを使う理由と電子処方箋の運用においての必要性について

お伝えします。

 

 

1.医師は処方箋の交付に記名押印または署名が必要

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医師は処方箋を患者に交付する際、記名押印または署名をする義務があります。

 

これは、医師法施行規則第21条に基づくものであり、電子処方箋においても必要です。

 

 

 

処方箋を作成後、HPKIカードを用いて電子署名をすることで、

医師が作成したとの証明にもなります。

 

 

HPKIカードを用いて医師が電子署名をした後は、処方箋の変更ができない仕組みとなっています。

 

 

 

このシステムにより、電子処方箋の不正な改ざんなどを防げます。

 

 

2.薬剤師は処方箋に調剤済みの記載・記名押印または署名が必要

 

 リフィル処方箋

 

紙処方箋の調剤と同じように、電子処方箋においても、薬剤師が調剤済みである記録を残す必要があります。

 

これは、薬剤師法第26条および薬剤師法施行規則第15条に基づいてのことです。

 

 

 

紙処方箋における調剤済み印の代わりに、HPKIカードを用いた薬剤師の電子署名を行います。

 

HPKIカードを使うため、薬剤師が調剤をしたといった証明にもなります。

 

 

 

電子署名を行った後は、

患者さんが別の薬局に電子処方箋の引換番号を提示しても既に調剤済みであると確認できるため、

再度投薬はされません。

 

 

3.HPKIカードには患者さんの健康保険証の情報格納されている

 

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またHPKIカードには患者さんの健康保険証の情報が格納されています。

これによって、医療従事者が患者さんの健康保険証の有効性を確認することができます。

 

 

 

つまり、HPKIカードは電子処方箋を発行する医療従事者が自分自身の認証や電子署名を行い、

患者さんの健康保険証の情報確認に必要なものなんです。

 

 

そのため、HPKIカードの取得や運用は電子処方箋の運用において欠かせないものとなっています。

 

 

【Q&A】電子処方箋に関わる「HPKIカード」の疑問

 

ここからは、HPKIカードにまつわる疑問にお答えします。

 

Q.複数の薬局で勤務をしている場合、「HPKIカード」は複数必要ですか?

 

 A.複数の薬局で使用する必要がある場合でも、「HPKIカード」は1枚持っていれば問題ありません。

 

 

HPKIカード」は1人当たり1枚発行されるカードであり、その人自身が薬剤師であることを証明するカードです。

 

薬局店舗ごとの登録ではないため、1枚カードがあれば別の薬局でも同じように使用できます。

 

 

 

Q.「HPKIカード」は一度発行すれば、永遠に使用できますか?

 

A. HPKIカード」には有効期限があるので、同じものを使い続けることはできません。

 

*有効期限は、カードを発行してから5回目の誕生日です。

 

 

 

Q.HPKIカード以外のもので電子署名をすることは可能ですか?

 

A.HPKIカードと別に「HPKIセカンド電子証明書」の登録をしておくと、ご自身のスマートフォンから電子署名も可能になります。

 

「HPKIセカンド電子証明書」とは、スマートフォンの生体認証を用いて電子署名をする仕組みです。

 

「HPKIセカンド電子証明書」を登録しておけば、

HPKIカードを紛失した時や職場に持っていき忘れた時にも、スマートフォンを通して電子署名ができます。

 

 

HPKIカードを発行した際に、スマートフォン登録用のQRコードが渡されるので、

必要と思われる場合は事前に登録をしておきましょう。

 

 

 

Q. HPKIカード」関連でトラブルや不明点があった場合の問い合わせ窓口はありますか?

 

A.薬剤師のHPKIカードは、「日本薬剤師会認証局」が管轄となっています。

 

 

 

以下のホームページよりご確認ください。

日本薬剤師会認証局のお問い合わせはこちら

 

 

 

 電子処方箋の運用に「HPKIカード」は必要不可欠!

電子カードイメージ (1)

 

HPKIカードは、

電子署名ツールだけではなく、電子データ上での医療資格の証明になります。

 

 

現在は電子処方箋での利用がメインとなりますが、

今後は医療機関同士の書類のやりとり等、さまざまな場面で使用されていきます。

 

 

電子処方箋の利用を通してHPKIカードを使いこなし、医療ICT化に対応していきましょう。

 

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