2023年05月15日
「医師から処方箋を渡されたけど、このお薬ってどんな効果があるの?見方が分からない・・」
「医師からは痛い時だけ飲みなさいって言われたけど、処方箋には毎食後という記載になってる…。
どっちが本当?」
「薬を飲むタイミングが食後ってなっているけれど、具合が悪くてあまり食べられない。
そんな時でもお薬って飲んでもいいの?」
このような不安を感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
医師に相談をしたら
「お薬を出しておきますね」とは言われたけれど、
どんな効果があるお薬を出されたかまでは、知らずに処方箋を薬局に持っていく…。
なんて患者さんも少なくありません。
✅本記事の内容
- 処方箋の見方は?どのような内容が書かれているの?
- 処方箋の見方で困ったらお近くの調剤薬局をご活用ください
- 処方箋の見方のポイントは?事前に見ておくべきところは?
この記事では「渡された処方箋の内容がわからない」という疑問に回答し、
【正しく内容を理解するためにはどうすればいいのか】についてご紹介いたします。
処方箋の見方は?どのような内容が書かれているの?
そもそも「処方箋」とは、どのようなものかご存知ですか?
処方箋とは、患者さんのケガや病気の治療に必要なお薬の種類や量、服薬方法が記載された文章のことです。
受診した医療機関からお薬が必要な時に出されますが、すぐに薬局に出してしまうため、
しっかりと内容を見たことがないという方もいると思います。
処方箋には
・被保険者証の情報
・患者さんの情報
・医療機関名
・薬の処方内容
・ジェネリックへの変更可否
などの内容が記載されています。
・被保険者証の情報
「月に一度は保険証を見せましょう」などという
ポスターが病院に掲示されているのを見かけたことはありませんか?
保険証の期限が切れていたり、資格喪失をしていたりすれば、支払う金額も変わってきます。
そういったことを防ぐために、
加入している健康保険などの保険番号や記号が確認できるよう記載されています。
・患者さんの情報
氏名や性別、生年月日などが記載されています。
生年月日や性別が記載されている理由としては、同姓同名の患者さんとの混同を防ぐことを目的としています。
・医療機関名
患者さんが受診した医療機関名が記載され、処方した医師の名前とサインまたは捺印が押されています。
・薬の処方内容
処方される薬はすべて記載されています。
お薬の名前や錠剤やカプセル、湿布などお薬の形状、一回あたりにお薬を飲む量、
一日に飲む回数(食前・食後など)、何日分のお薬が出されているのかも記載されています。
・ジェネリックへの変更可否
変更不可の記載がなければ、価格が安いジェネリック医薬品に変更ができます。
※ジェネリック医薬品:新薬と同じ有効成分、品質、安全性などを特許が切れた後に国に認められ製造販売されたお薬のことです。
処方箋は受診をした医療機関の医師だけが出すことができ、
患者さんの治療や症状の緩和を目的にお薬は出されます。
医師から出された処方箋を確認し、薬を調剤できるのは薬剤師だけです。
処方箋は医師が治療のために必要だと判断したお薬をその患者さんだけのために作成したものです。
受診した患者さんだけに処方されたお薬になるため、他の人が飲んだりすることができません。
一般的に処方箋がなくても購入ができる市販のお薬との違いは
処方箋があり調剤されるお薬は、医療保険の対象になる点が大きな違いです。
そして処方箋を発行してもらうことで、患者さんにどのような症状があり、
いつ、どんな薬が処方されたのか記録として残る点も違います。
また処方箋によって調剤されるお薬は、
必ず薬剤師が内容を確認するので適切で安全な使用でお薬を飲むことができます。
処方箋の見方のポイントは?事前に見ておくべきところは?
処方箋を渡されて、薬局に出す前に事前に見ておくポイントについて紹介します。
【ポイント1】医師から説明された内容のお薬が処方されているか
いつも飲んでいるお薬であれば、お薬の名前も「なんとなくだけど覚えている…」なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか?
医師との会話をする中で「そのお薬は余っているから要らないって伝えたのに」そんな経験をされた方もいると思います。
残薬があるのに〇〇日分お薬が処方されているなんてことがあるかもしれないので、
「何日分」「何回分」お薬が出ているのか確認をしてみましょう。
初めて飲む薬が何種類か出された場合、お薬の名前だけではどんな効果があるのかまでわからない方が多いと思われます。
初めてのお薬で知りたいことがあれば、薬局に処方箋を提出した際に質問してみましょう。
薬剤師が相談に乗ってくれます。
【ポイント2】飲むタイミングについて
「一日三回、毎食後」「一日一回、夕食後」などとお薬を飲む回数やタイミングが記載されています。
患者さんの中には、シフト制の勤務などで毎日同じ時間に薬を飲めない方もいると思います。
お薬によっては「〇〇時間空けてから飲んだ方が良い」といったものもあるため、お薬を飲めなかった場合や飲むタイミングが空きすぎてしまう場合がある方は、確認することが必要です。
特に高齢者の方や通学している子どもさんの場合は、
お薬を飲むタイミングが制限されていたり、
自分で説明ができなかったりするので、ご家族が代わりに理解しておいた方が安心でしょう。
【ポイント3】薬の形状が飲みにくかったら
高齢者の方や子どもさんがカプセルや錠剤など、飲みにくい場合があります。
処方箋の中の記載に「カプセル」「錠」などとお薬の形状が書かれていますので、過去に飲めなかった経験のある方や嚥下障害(えんげしょうがい)などがあり不安な方は、自分が飲めるような形状であるか確認をしましょう。
*嚥下障害:飲食時に吐き気、のどのつまり、息苦しさ、胸やけなどの症状が出ること。
処方箋の見方で困ったらお近くの調剤薬局をご活用ください
処方箋を確認して不安や心配なことがあれば、
医師に相談するのが安心かもしれません。
しかし、
処方箋の内容に疑問が見つかった時はすでに帰宅するために医療機関から離れてしまっている…。
なんてこともあると思います。
「病院にもう一度行ったり、電話をするまでじゃないからいいや…」と諦めてしまう方も。
そこまでして確認しておくことじゃないけど、ちょっと「不安」になってしまうことあるかと思います。
そんな時は、お近くの薬局をご活用ください。
薬局にはお薬の専門家である薬剤師がいます。
例えば先程の「お薬を飲むタイミング」であったり
「飲みにくいお薬はどうしたらいいの?」という不安や疑問について相談に乗ってくれます。
薬局といえば「病院行った後に寄ってお薬を受け取るところ」という印象が強く、
「体の不調や薬のことについて相談するところ」という印象はないかもしれません。
ですが、実は「相談だけでも利用可能」なのをご存知でしょうか?
例えば、眠くなったり、胃に不快感が現れたり、
ふらつきが出るといった副作用が現れた時などに相談したいことはありませんか?
また薬を飲む前と薬を飲んだ後で、
受診した内容と違う身体の不調が現われた時はちょっとしたことでも相談してください。
もちろん、自分だけでなくご家族が不調なときでも良いんです。
「あれ?もしかして、このお薬のせい?」
なんてことを思ったら、お近くの薬局を訪ね相談してください。
薬を飲む上で「実はこういったことがあって…」と薬に対して、
怖いと思った経験があった際も薬剤師に相談しておけば安心です。
調剤薬局は薬の相談だけでも聞いてくれる?処方箋がないとダメ?で相談について解説しているので
「相談場所として利用したことない」という方は記事を読んでみてくださいね。